電子ヒューズ保護機能を備えた車載スイッチIC、STマイクロ:故障検出機能など搭載
STマイクロエレクトロニクスは、車載用電子ヒューズ保護機能を備えた、ハイサイドスイッチコントローラー「VNF1248F」を発表した。新しい容量性充電モードを内蔵し、高い突入電流が入っても大きな容量性負荷に対応する。
STマイクロエレクトロニクスは2025年11月、車載用電子ヒューズ保護機能を備えた、ハイサイドスイッチコントローラー「VNF1248F」を発表した。既に量産を開始していて、1000個購入時の単価は約2.63米ドル(約410円)だ。
VNF1248Fは、溶断ヒューズとの置き換えが可能な「STi2Fuse」ファミリーの新製品になる。12V、24V、48Vの車載ボードネットに対応し、従来のヒューズやリレーの置き換えとして配電用途に利用できる。
新しい容量性充電モードを内蔵し、高い突入電流が入っても大きな容量性負荷に対応する。最大600mAの電流を供給可能で、強化スタンバイモードでは消費電流を75μA未満に抑える。オプションのロジック用外部電源ピンを使用することで、48Vシステムの消費電力を0.4W削減できる。車載用規格LV124に準拠したバッテリー電圧低下時のシャットダウン機能により、システムの安定性を確保する。
故障検出機能、自己テストを内蔵
先進的な故障検出機能やフェールセーフモード、リンプホームモードを備え、機能安全規格ISO 26262準拠のアプリケーションにおいてASIL対応を容易にした。内蔵の自己テストによる自動診断も可能で、マイクロコントローラの故障時に外部MOSFETゲートを直接制御できる専用ピンを搭載している。
ホストマイコンとの通信用SPIポートにより、短絡ラッチオフやヒューズエミュレーションの時間対電流のラッチオフ、MOSFET不飽和シャットダウンなどを柔軟に制御する。従来のワイヤヒューズよりも速い100マイクロ秒以内の応答が可能で、車両内で故障が広がるのを防ぐ。
パッケージは5×5mmのQFN32を採用。評価ボード「EV-VNF1248F」と設定用ソフトウェア「STSW-EV-VNF1248F」も提供し、試作回路への導入が容易だ。マイコンボード「EV-SPC582B」と組み合わせた設定やモニタリングにも対応する。
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