ニューロモーフィックアナログ信号処理技術をシリコン実装、Polyn:独自のNASP技術
Polyn Technologyは、独自のニューロモーフィックアナログ信号処理(NASP)技術を用いたチップについて、初のシリコン実装と検証に成功したと発表した。
Polyn Technology Ltd.は、同社のニューロモーフィックアナログ信号処理(NASP)技術について、初となるシリコン実装の製造およびテストに成功したと発表した。これには、学習済みのデジタルニューラルネットワークモデルを、標準CMOSプロセスで製造可能な超低消費電力のアナログニューロモーフィックコアへ自動変換するNASP技術と設計ツールの検証が含まれる。最初のチップには、音声アクティビティ検出(VAD)ニューラルネットワークモデルのアナログニューロモーフィックコアが搭載されている。
同社によると、このプラットフォームは、アナログ領域で学習済みニューラルネットワークを用いてAI推論を実行することで、従来のデジタルニューラルプロセッサと比べて大幅に低い消費電力を実現するという。用途特化型のNASPチップは、音声、振動、ウェアラブル、ロボティクス、産業機器、自動車向けセンシングなど、幅広いエッジAIアプリケーション向けに設計可能だ。
デジタルモデルから直接、非同期かつ完全アナログのニューラルネットワークコアをシリコン上に実装したのは今回が初だという。これによって、「デジタルクラスの精度とマイクロワット級のエネルギー消費を両立する、アナログ領域でのニューラル計算という新たな設計パラダイムが開かれた」と、PolynのCEO兼創業者であるAleksandr Timofeev氏は声明で述べている。
Polynによると、常時動作型のエッジデバイスを対象としたNASPチップは、センサー信号を本来のアナログ形式のままマイクロ秒単位で処理し、消費電力はマイクロワット級に抑えられるという。これによってデジタル処理に伴うすべてのオーバーヘッドを排除できる。
初のニューロモーフィックアナログプロセッサは、リアルタイム音声アクティビティ検出向けのVADコアを搭載し、完全非同期動作に対応する。主な仕様として、連続動作時の消費電力は約34μW、推論当たりのレイテンシは50μs(マイクロ秒)と、超低消費電力かつ超低遅延を実現している。
PolynはVADコアに加えて、話者認識や音声抽出向けのコア開発も計画。家庭用電化製品、通信向けヘッドセット、そのほかの音声制御デバイスをターゲットにしている。
同社は2022年4月に、55nm CMOS技術で実装した最初のNASPテストチップを発表し、脳を模倣したアーキテクチャを実証した。続いて2022年10月には、あらゆる騒音環境からオンチップで音声抽出を行う「NeuroVoice」小型AIチップを発表した。さらに2023年には、振動監視用センサーノード向けのTiny AIチップソリューション「VibroSense」を投入している。
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