アナログ周辺モジュール内蔵のマイコン、マイクロチップ:部品点数を削減し設計を簡素化
マイクロチップ・テクノロジーは、低消費電力の周辺モジュールを内蔵したマイクロコントローラー「PIC16F17576」ファミリーを発表した。周辺モジュール内蔵によって部品点数やコストを削減し、設計プロセスを簡素化できる。
マイクロチップ・テクノロジーは2025年4月、低消費電力の周辺モジュールを内蔵したマイコン「PIC16F17576」ファミリーを発表した。周辺モジュール内蔵によって部品点数やコストを削減し、設計プロセスを簡素化できる。既に受注を開始していて、1万個注文時の単価は0.57米ドル(約83円)から。
低消費電力の周辺モジュールを内蔵
低消費電力のコンパレーターと参照電圧を組み合わせ、3.0μA未満の消費電流で連続的なアナログ計測に対応する。コンパレーターは、MCUコアがスリープモード中でも動作できる。
アクティブにする周辺モジュールをアナログ周辺モジュールマネジャーで制御することで、総エネルギー消費量を最小限に抑える。電力を過剰に消費せず、バッテリー駆動のアプリケーションで信号を効果的に監視できる。
ソフトウェア制御のゲインラダーを備えたオペアンプを搭載し、1つのオペアンプで複数のゲインオプションの切り替えが可能だ。最大4個のオペアンプと自動平均化機能付きの12ビット差動A-Dコンバーターにより、幅広い入力レンジで正確な信号を測定できる。
アナログ機能を内蔵したことで、振動や歪み計測、流量計測、ガス検出、低温物資追跡、モーションセンシングなどで利用できる。開発ツールは、統合開発環境「MPLAB X IDE」とコード生成ツール「MPLAB Code Configurator」を使用可能。また、開発ボード「Curiosity Nano EV14L29A」と開発ツール「MPLAB PICkit」と互換性を有する。
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