Blackfinへと至る道 40年現役のADI「SHARC」:マイクロプロセッサ懐古録(20)(4/4 ページ)
今回と次回で、Analog Devices(ADI)のDSP+CPUである「Blackfin」を取り上げる。まずはその“前哨戦”として、ADIのDSP「SHARC」が開発された経緯をたどりたい。
40年現役のSHARC
これでSHARC/SHARC+/SHARC-FXのラインアップを簡単にご紹介した訳だ。1987年に発表されてからほぼ40年近く現役(SHARC-FXは別だが、まだSHARC+ベースの製品は供給され、新規設計にも利用可能とされている)なのだから恐れ入る。ただ実はもう一つSHARCシリーズには派生型がある。それが基地局向けのTigerSHARCである(図15)。1998年にTigerSHARCのアーキテクチャが発表され、1999年には初の製品であるADSP-TS001(図16)が発表される。
この時は(当時の)次世代移動体通信システム(IMT-2000)やADSLなどのインフラ向けとしてリリースされた。通信向けの場合、データサイズが用途によって異なる(Audio Codecなら16bit、Echo Cancellingだと8bitなど)事もあり、SHARCとはまたちょっと実装が異なっている。ADSP-TS001は動作周波数150MHz、On-Chip SRAMは2Mbitとそこそこの性能だったが、2001年には3G携帯電話基地局向けに特化したADSP-TS101Sが提供される。このADSP-TS101Sでは動作周波数300MHs、On-Chip SRAM 6Mbitに強化されたほか、Chip Late/Symbol Rateの処理に特化した専用回路を設ける等することで、FPGAよりも安価かつ低消費電力に基地局を実現できるとされていた。これに続き2003年には動作周波数を最大600MHzまで引き上げ、6MbitのオンチップSRAMの代わりに24Mbit オンチップDRAMを搭載したADSP-TS200Sシリーズを発表するが、ADSP-TS101Sは現在も生産が続いているにもかかわらず、ADSP-TS200Sシリーズが既に生産中止というあたり、ニーズをつかみ切る事は出来なかったようだ。
ということで本命のBlackfinの話に移る前にSHARCで1回終わってしまった。次回こそはBlackfinの話をしたいと思う。
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