AWG
AWGとは、配線(ワイヤー)の直径や断面積、電気抵抗率などを定めた標準規格のこと。American Wire Gauge(米国ワイヤー・ゲージ規格)の頭文字を取って、「AWG」と呼ばれている。UL(Underwriters Laboratories Inc.)規格として認定されている。
デジタル・インターフェイスの必須技術用語
AWGという技術用語は、デジタル・インターフェイス技術や、高速シリアル伝送技術で頻繁に登場する。配線導体部の直径、すなわち太さが伝送信号の品質に大きく影響を及ぼすからだ。直径が大きければインピーダンスが低くなるため、伝搬損失が小さくなる。そのため、伝送信号をより遠くに届けることが可能になる。ただし、直径が太くなれば、配線ケーブルを曲げづらくなり、コストも上昇する。
一般に、配線導体部の直径は数字(番号)で示される。直径が0.46インチ(11.68mm)を「AWG0000(4/0)」、直径が0.005インチを「AWG36」とし、その間を等比間隔に分割して番号が打たれている(表1)。例えば「AWG24」は、配線導体部の直径が0.00201インチ(0.511mm)、「AWG10」は、配線導体部の直径が0.1019インチ(2.588mm)。「AWG1」は配線導体部の直径が0.2893インチ(7.348mm)となる。これ以上、直径が大きな配線導体部のケーブルについては、0の個数で番号を示しており、「AWG0(1/0)」は、配線導体部の直径が0.3249インチ(8.252mm)、「AWG000(3/0)」は、配線導体部の直径が0.4096インチ(10.40mm)である。
なお、日本国内では配線(ワイヤー)の直径や断面積について、JIS(Japanese Industrial Standards)規格で定められた「SQ」という単位を用いるケースが多い。SQとは、断面積のことで「mm2」に等しい。例えば、「AWG14」は配線導体部の直径が1.628mmであり、断面積が2.081 mm2であるため、SQは2ということになる。つまりAWG14のワイヤーは2SQに相当する。
伝送特性の「基準」として使われる
それではデジタル・インターフェイス技術において、AWGという用語はどのように使われているのだろうか。米テキサス・インスツルメンツ(TI)社が2012年2月1日に発表したシグナル・コンディショナIC「DS125DF410」を例に説明しよう。このICは、イコライザやクロック/データ抽出器(CDR:Clock Data Recovery)、判定帰還型等化器(DFE:Decision Feedback Equalizer)、デエンファシス・ドライバといった機能を備える。高速デジタル・インターフェイスの伝送距離を延ばすことができるICだ。
このICの伝送特性を記述する際にAWGが登場する。具体的には、AWG26ケーブルを使った場合、12.5Gビット/秒と高速なデータを20m送ることができるという記述だ。AWG26ケーブルは直径が約0.4mmと細い。こうした細いケーブルを使っても12.5Gビット/秒の高速データを20mも伝送できることは、DS125DF410が高い伝送特性を備えていることを意味している。
テキサス・インスツルメンツの電源ICラインアップ
提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日
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