トライアック
トライアック(triac)は3端子をもつ半導体スイッチング素子の一種で、双方向に電流を流せることからACスイッチとして広く用いられている。また、ACの1/2サイクルごとにオン期間を変化させることで、負荷に供給電力するAC電力を簡単に制御できる(位相制御)。
原理的には、単方向の整流・スイッチング素子である逆阻止3端子サイリスタを逆並列接続して双方向化したものと見なせる。
ゲート端子にトリガパルス電流を与えると、そのとき順バイアスされていた側のサイリスタが導通する。ACの1/2サイクルが終了すると、導通していたサイリスタは逆バイアスになって遮断される。したがって、最大1/2サイクルだけオンになり、自動的にオフに戻るスイッチとして動作する。
各1/2サイクルの開始点から、角δだけ遅れたタイミングでトリガパルスを与えれば、90°−δの期間だけ導通するACスイッチとなる。δを0°〜90°で変化させれば、それに応じて導通の期間90°−δが変化し、負荷に供給する電力を制御できる。これを位相制御と呼ぶ。
位相制御はトライアック、遅延タイマ、パルス発生素子(2端子素子であるダイアックを用いることが多い)だけの簡単な回路で実現できるので、以前はランプ制御、ヒーター制御、モーター制御などさまざまな電力制御に用いられていた。現在でも、照明器具の位相調光器としてトライアック調光回路が広く用いられている。
位相調光器は抵抗負荷である白熱電球は直接制御できるが、LED電球や電球型蛍光灯では、特に位相調光に対応した製品しか使用できない。調光対応LED電球を容易に実現できるLED照明コントローラICとして、テキサス・インスツルメンツ(TI)のLM3445、LM3447、LM3448、LM3450、TPS92070、TPS92075などがある。
特に、最新製品のTPS92075はICサイズや外付け部品を大幅に削減し、小型化が求められるLED電球に最適な特長をもっている。
提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日
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