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高精度アンプこれだけは知っておきたいアナログ用語

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高精度アンプ

 高精度アンプとは、直流(DC)特性に優れたオペアンプのこと。DC特性とは、入力オフセット電圧と入力バイアス電流に加えて、それらの温度安定性が相当する。入力オフセット電圧と入力バイアス電流は低ければ低いほど、温度安定性は高ければ高いほどよい。計測器や産業機器、センサ機器、オーディオ機器などで用いられている。

DC成分の増大で精度が低下

 高精度アンプではなぜ、入力オフセット電圧と入力バイアス電流、温度安定性の三つの特性が重要視されるのか。その理由を以下で説明しよう。

 一つめの入力オフセット電圧とは、入力をゼロとした時に両入力端子間に現れる電圧である。これが、必要なアナログ信号成分とともに増幅されてしまう。従って、入力オフセット電圧が大きいと、増幅した信号の精度が大きく低下してしまうことになる(図1)。どの程度の値ならば問題ないのか。例えば、アナログ信号の振幅がmVオーダーであれば、入力オフセット電圧はμVオーダー以下であることが求められる。


図1 入力オフセット電圧が高いと、DC精度が低下する。入力のアナログ信号に直流(DC)成分が含まれていると、オペアンプはそれも増幅してしまうため、DC精度が低下してしまう。

 二つめの入力バイアス電流とは、入力端子に流れ込む電流、もしくは入力端子から流出する電流である。通常、入力端子には抵抗が接続されており、ここに電流が流れると電圧降下が発生する。この電圧降下分がオペアンプによって増幅されると、前述の入力オフセット電圧と同様に、増幅した信号の精度が低下する。例えば、入力バイアス電流が0.5μAと小さくても抵抗が100kΩであれば、50mVものオフセット電圧成分が発生してしまう。従って、高精度アンプの入力バイアス電流にはnAオーダーやpAオーダーと非常に小さい値が求められる。

 三つめの温度安定性は、温度ドリフトとも呼ばれる特性である。一般に、入力オフセット電圧と入力バイアス電流は、温度変化によって増加する傾向にある。電子機器は、さまざまな環境で使われる。室温環境下だけで使われるわけではない。従って、温度ドリフトが大きいと、オペアンプで増幅された信号に含まれるDC成分が大きくなってしまい精度が低下する。このため高精度アンプには、入力オフセット電圧と入力バイアス電流の温度ドリフトが小さいことが求められる。なお、温度ドリフトが極めて小さいオペアンプを「ゼロ・ドリフト・アンプ」と呼ぶ半導体メーカーが多い。

温度ドリフトは0.02μV/℃

 高精度アンプの具体例としては、テキサス・インスツルメンツ(TI)の「OPA333」や「LMP2021」がある。OPA333は、入力オフセット電圧が10μV(最大値)で、その温度ドリフトが0.05μV/℃(最大値)と小さい点が特長である。いわゆるゼロ・ドリフト・アンプである。+1.8〜5.5Vの電源電圧で動作する。入力バイアス電流は±200pA(最大値)である。

 LMP2021もゼロ・ドリフト・アンプである。入力オフセット電圧は5μV(最大値)で、その温度ドリフトが0.02μV/℃(最大値)といずれも極めて小さい。入力バイアス電流は±100pA(最大値)である。





提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日

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