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シグナル・チェーンこれだけは知っておきたいアナログ用語

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シグナル・チェーン

 シグナル・チェーンとは、センサやトランスデューサ、アンテナなどで取得したアナログ信号を、マイコンなどで処理できるようにデジタル信号に変換するまでの一連の信号の流れのこと。通常、シグナル・チェーンは、三つの要素から構成される。すなわち、オペアンプ(計装アンプ)、フィルタ、A/Dコンバータという3大構成要素だ(図1)。

 センサやトランスデューサ、アンテナなどで検出した微少なアナログ信号をオペアンプなどで増幅し、余分な周波数成分をフィルタで取り除き、A/Dコンバータでデジタル信号に変換する。この3大構成要素の回路設計やICの選択を注意深く行わないと、アプリケーションで求められる精度や感度、画質/音質を得られなくなる。それだけに極めて重要な要素だと言える。


図1 シグナル・チェーンの3大構成要素

用途に応じて最適なICを選ぶ

 この3大構成要素に求められる性能は、高速用途と低速用途によって異なる。両者の境目は50M〜100MHzだ。高速向けの主なアプリケーションは、無線通信の基地局や計測器、医療機器など。一方、低速向けは、温度や光、圧力などの物理量を検出するセンサやトランスデューサを搭載した機器などが主なアプリケーションになる。

 それでは、3大構成要素それぞれについて説明しよう。オペアンプでは、高速用途と低速用途では重要視すべき特性が違う。高速用途では、周波数帯域幅や、利得帯域幅積(GB積)、スルー・レートなどのパラメータを元に選ぶ必要がある。一方、低速用途では、精度の度合が特に重要になる。精度が必要な際には入力オフセット電圧や、その温度ドリフト、入力バイアス電流などが低い製品を選ばなければならない。

 フィルタについては、用途に合わせたカットオフ(遮断)周波数の設定が求められる。後段に接続するA/Dコンバータのサンプリング速度よりも十分に低い周波数に設定する必要がある。

 A/Dコンバータを選択する際に注意すべきは、その実現方式である。実現方法は数多くある。例えば、パイプライン型やΔΣ型、逐次比較(SAR)型、フラッシュ型などだ。実現方法によって、分解能と最大サンプリング速度が異なる。例えば、ΔΣ型は20ビットや24ビットといった高い分解能が得られるが、高い最大サンプリング速度は得られない。SAR型は、ΔΣ型に比べると分解能が低いが、それでも16ビットや18ビットといった高い精度が得られる。しかも、変換速度は数Mサンプル/秒と比較的高い。

 パイプライン型は、最大サンプリング速度が数10M〜数百Mサンプル/秒と高い上に、12ビットや14ビット、16ビットといった高分解能を同時に実現できる。フラッシュ型の最大サンプリング速度はさらに高く、数Gサンプル/秒に手が届く。ただし、分解能は8〜10ビット程度しか得られない。

 従って、オペアンプ、フィルタ、A/Dコンバータの3大構成要素については、用途に応じて最適な回路を設計したり、最適なICを選択したりする必要があるわけだ。

3.6Gサンプル/秒のA/Dコンバータ

 今回は、高速用途に向けたA/Dコンバータとオペアンプを紹介する。テキサス・インスツルメンツ(TI)が製品化しているA/Dコンバータ「ADC12D1800」とオペアンプ「LMH6554」である。

 ADC12D1800は、最大サンプリング速度が3.6Gビット/秒と高い12ビットA/Dコンバータである。1.8Gサンプル/秒で動作する2個のパイプライン型A/Dコンバータをインタリーブ動作させることで、3.6Gサンプル/秒動作を実現した。LMH6554は、周波数帯域幅が2.8GHzが極めて広いことが特長の差動アンプである。スルー・レートは6200V/μsと非常に高い。この二つのICを組み合わせれば、無線通信基地局や計測器などの用途において、最適なシグナル・チェーンを構成できるようになる。





提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日

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