IoT(Internet of Things)
IoTとは、パソコンやスマートフォン、プリンタなどのIT関連機器以外の「モノ(Things)」もインターネットに介して接続されたネットワークのこと。日本語では「モノのインターネット」と訳される。
IoTは既に、実用化が始まっている。テレビやデジタル・スチル・カメラ、携帯型メディア・プレーヤ、Blu-ray Disc/DVDプレーヤなどのインターネット接続が進んでいるからだ。今後は、洗濯機や冷蔵庫、電子レンジなどの白物家電、エアコン、照明機器、ヘルスケア機器、給湯器、車庫(ガレージ)の開閉器といった、一般住宅に取り付けられた電子機器に適用が進む。その結果、離れた場所から状態を監視したり、リモコン制御したりすることが可能になる(図1)。
図1 一般住宅におけるIoT活用のイメージ
テキサス・インスツルメンツ(TI)が想定する、一般住宅におけるIoT活用のイメージである。照明機器や空調機器、白物家電、セキュリティ機器、車庫(ガレージ)の開閉器、プールのセンサ端末、スプリンクラーなどをインターネット経由で接続することで、離れた場所でのモニターや制御を可能にする。
さらに将来的には、工場やビル、商業施設、病院、教育施設、トンネル、橋といったさまざまな場所にセンサ端末が取り付けられ、それがインターネットに接続される見込みだ。そうしたセンサ端末を使ってデータを取得し、ビッグデータとして処理することで、安全性や快適性、利便性の向上などが可能になる。
この結果、センサ機能や通信機能などを実現する半導体/電子部品市場は、極めて大きくなると予測されている。市場予測の中には、2020年は71兆米ドル(約7100兆円)という驚異的な数字に達するというものもある。
エネルギー・ハーベスト技術がカギを握る
モノをインターネットに接続する方法としては、有線通信と無線通信の2つがある。有線通信であれば、イーサネットが有力だ。商用電源から電力供給を得る電子機器は、イーサネットで何の問題もない。
ただし、乾電池や2次電池で駆動する電子機器やセンサ端末などについては、その全てに通信ラインを配線するのは現実的ではない。そこで、無線技術の出番となる。その候補は複数ある。具体的には、無線LAN(Wi-Fi)やZigBee(IEEE 802.15.4)、Bluetooth LE(Low Energy)、Wi-SUN、特定小電力無線などである。現時点では、デファクト・スタンダード(事実上の標準規格)の座についている無線通信技術は存在せず、今後極めて大きな市場を巡って、激しい競争が繰り広げられそうだ。
今後IoT市場は、順調に拡大していきそうだ。ただ問題点が1つ残っている。それは、センサ端末への電力供給である。将来、センサ端末は、前述のようなさまざまな場所に取り付けられる可能性がある。そのセンサ端末を駆動する乾電池を定期的に交換するのは無理がある。コストがかかりすぎるからだ。
そこで期待を集めているのが「エネルギー・ハーベスト(環境発電)」技術である。周囲の環境に存在する熱や光、振動、電波などから電力を回収し、搭載した2次電池に蓄えることで、センサ端末を駆動する。エネルギー・ハーベスト技術の進展が、IoT市場拡大のカギを握っていると言っても過言ではない。
関連リンク
■IoT(モノのインターネット)ソリューション
■IoTを実現するFRAMマイコン
■ワイヤレス・コネクティビティ
■エネルギー・ハーベスト
■ワイヤレス充電製品
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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日
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