2つのホール素子を薄型パッケージに集積、冗長化で安全性向上:ミクロナス HAR24xy
ミクロナスの「HAR24xy」製品ファミリは、2つのチップを1パッケージに集積したリニアホールセンサーである。冗長性が求められる自動車や産業機器の位置検出などの用途に向ける。
ミクロナスは2015年2月、2つのチップを1パッケージに集積したリニアホールセンサー「HAR24xy」製品ファミリを発表した。冗長性が求められる自動車や産業機器の位置検出などの用途に向ける。
HAR24xy製品ファミリとして今回発表したのは、「HAR2425」と「HAR2455」の2製品である。いずれもパッケージ厚が1mm以下の薄型TSSOP 14に2個のホール素子を実装している。2個のホール素子は磁界方向の位置が極めて近いため、2つの出力信号の相関を改善できるという。また、センサーの感度を改善したことで、より小型の磁石を設計することができる。さらに、寄生磁界の影響を小さくすることも可能になるという。
HAR24xy製品ファミリは、16ビットシグナルパスにより高精度な信号処理を実現するとともに、HAR2425は12ビットアナログ信号出力に、HAR2455は最大2kHzのPWM(Pulse Width Modulation)信号出力に、それぞれ対応している。また、2製品とも16個のプログラム可能なセットポイントを用いた出力多点補正機能を備えている。これによって、磁石のリニアリティエラーを修正し、より長いストロークの計測なども可能とした。
異常検出機能とエラー診断機能も拡張した。過電流や短絡発生時には断線検出や温度監視を行う。2つのセンサー出力間で過剰な温度上昇が検出されると、センサーは出力を電源と同電位にするか、グランドレベルにするか、フローティングにするなどして、異常検知を出力する。通常動作時でも、回路ブロックごとに設けた自己診断機能で監視されているという。
ミクロナスは、HAR24xy製品ファミリを自動車のスロットル位置計測やペダル位置検出、EGR(排気再循環)システムなどの用途向けに提案していく。サンプル出荷の開始は2015年5月を予定している。
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