IoT向け低電力型Wi-Fiモジュールとトランシーバー:シリコン・ラボ WF200、WFM200
シリコン・ラボラトリーズは、アンテナを内蔵したシステムインパッケージ(SiP)モジュール「WFM200」とトランシーバー「WF200」を発表した。Wi-Fiポートフォリオの新製品で、IoT向けWi-Fiデバイスの電力消費を半減する。
送信時電流138mA、受信時電流48mA、平均200μAのWi-Fi電力消費
シリコン・ラボラトリーズは2018年2月、IoT(モノのインターネット)向けWi-Fiデバイスの電力消費を半減するWi-Fiポートフォリオの新製品「WFM200」モジュールと「WF200」トランシーバーを発表した。消費電力の制約があるバッテリー駆動型Wi-Fi製品の設計を簡素化する。現在サンプルを出荷中で、量産出荷は同年第4四半期を予定している(関連記事:「IoTでようやくWi-Fiの出番、シリコンラボの専用モジュール」※EE Times Japanのサイトに移行します)。
WFM200はアンテナ内蔵のシステムインパッケージ(SiP)モジュールで、WF200は大容量用途に適したトランシーバーだ。LGA52のSiPモジュールは6.5×6.5mm、QFN32のトランシーバーは4×4mm。2.4GHz帯のIEEE 802.11b、g、nをサポートし、混雑した無線環境においても優れたアンテナダイバーシティーとワイヤレス共存を可能にする。
送信時電流は138mA、受信時電流は48mA、平均200μAの電力消費(DTIMが3の場合)で、長距離通信に適した115dBmのリンクバジェットを持つ。また、AES、PKE、TRNGをサポートするハードウェア暗号化アクセラレーション、セキュアブート、セキュアリンクなどのセキュリティ機能を装備している。
開発ツールとホストドライバーが含まれた、ワイヤレススターターキットも用意。IP監視カメラ、POS端末、コンシューマー向けヘルスケアデバイスなど、電力上の制約があるバッテリー駆動型Wi-Fi製品の用途を見込んでいる。
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