SIGFOXとBLEに対応したIoT無線通信モジュール:STマイクロ WS211x
STマイクロエレクトロニクスとJorjin Technologiesは、SIGFOXとBluetooth low energyを組み合わせたデュアル無線モジュール「WS211x」がSigfoxの認証を取得したと発表した。
独立したIoT通信ノードとして近距離から長距離通信に対応
STマイクロエレクトロニクス(以下、ST)と台湾Jorjin Technologies(以下、Jorjin)は2018年4月、SIGFOXとBluetooth low energy(BLE)を組み合わせたデュアル無線モジュール「WS211x」が、Sigfoxの認証を取得したと発表した。現在、欧州などのSIGFOX RCZ1地域と日本を含むRCZ3地域向けに「WS2118-00」を、米国などのRCZ2地域とオーストラリアなどのRCZ4地域向けに「WS2119-A0」を提供している。
WS211xは、STのサブギガヘルツ帯無線トランシーバー「S2-LP」とBLE SoC(System on Chip)の「BlueNRG-1」を搭載している。Arm Cortex-M0を内蔵し、プログラム可能な独立したIoT(モノのインターネット)通信ノードとして機能する。
消費電力が少なく、コイン電池や環境発電で動作するIoT機器での利用を見込む。長距離通信と近距離通信の両方に対応し、無線によるファームウェアの更新や、IoT機器の設置や保守時の設定変更、位置の追跡ができる。
評価ボードは、Arduinoインタフェースを採用。MEMSモーションセンサー、環境センサー、ToF(Time-of-Flight)測距センサーを搭載するSTのArduinoシールドボードとは互換性を備える。
Jorjinではソフトウェア開発キット(SDK)も提供しており、WS211xとSTのセンサーシールドボードを使用したアプリケーションが開発できる。ATコマンドリストを使用し、BLEとSigfoxの機能もテストできる。
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