産業および車載向けのeSIM SoC:STマイクロ ST4SIM-110x、ST4SIM-200x
STマイクロエレクトロニクスは、産業用IoTや車載システム向けの新たな組み込み型SIM SoCを同社の「ST4SIM」ファミリーに追加した。同社パートナー企業が提供するプロビジョニングサービスにより、多様なセルラー網へ容易に接続可能になる。
STマイクロエレクトロニクスは2020年2月、産業用IoT(IIoT)や車載システム向けの新たなeSIM(組み込み型SIM)SoC(System on Chip)を同社の「ST4SIM」ファミリーに追加した。全4種で、同社のマイクロコントローラー「ST33G」がベースとなっている。−40〜+105℃の温度範囲で動作し、ETSIのM2M規格「TS 102 671」に準拠する。
4種のうち、産業向けとなる「ST4SIM-110M」およびGSMA準拠の「ST4SIM-200M」は、6×5mmのDFNパッケージ(MFF2)あるいはWLCSPパッケージで提供される。車載向けの「ST4SIM-110A」およびGSMA準拠の「ST4SIM-200A」は、AEC-Q100規格に準拠し、6×5mmのDFNパッケージ(MFF2)かTSSOP-20パッケージでの提供となる。産業向け、車載向けのMFF2パッケージには、ハンダ接合部の信頼性を確保するウェッタブルフランクが採用されている。
パートナー企業によるプロビジョニングサービス
また、同社パートナー企業によるプロビジョニングサービスも提供される。M2M(Machine to Machine)向け製品の提供やeSIMのアクティベーションを担うArkessaやArm、Truphoneなどの企業が、eSIM搭載IoT機器のセルラー網への自動接続や、機器の運用期間に合わせた柔軟なサブスクリプション管理を実施する。これにより、世界各地で2G、3G、4G、LTE CAT-M、NB-IoT(狭帯域IoT)など、多様なセルラー網へ容易に接続可能になる。
価格およびサンプル提供については、同社のセールスオフィスもしくは販売代理店への問い合わせが必要となる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- LTE Cat-M1対応のSPRESENSE用拡張ボード
ソニーは、IoT向けのスマートセンシングプロセッサ搭載ボード「SPRESENSE」の新製品として、LTE拡張ボード「CXD5602PWBLM1J」を発表した。Altair Semiconductor製チップセット「ALT1250」を搭載し、IoT向け通信規格のLTE-Mに対応する。 - スマートフォンを車の鍵にできるUWBチップ
NXPセミコンダクターズは、車載超広帯域無線IC「NCJ29D5」を発表した。高精度でセキュアなリアルタイム位置特定機能を持ち、スマートフォンを車の鍵としても使用できる。 - 主要メッシュネットワークに対応したモジュール
シリコン・ラボラトリーズは、主要メッシュネットワークに対応した「MGM210x」「BGM210x Series 2」モジュールを発表した。スマートLED照明、ホームオートメーション、工業用IoT向けのワイヤレスソリューションの開発を支援する。 - IoT、M2M用途の産業用4Gルーター
フェニックス・コンタクトは、IoT、M2M用途の産業用4G LTEルーター「EW-50」の国内販売を開始した。−30〜+70℃と広い温度範囲で動作し、多様な接続方式に対応。充実したセキュリティ、ロギング機能も備える。 - LTE-M、NB-IoT接続プラットフォーム
ジェムアルトは、クアルコム・テクノロジーズの「Qualcomm9205 LTE IoTモデム」を基盤とする「Cinterion LPWAN IoTモジュールプラットフォーム」を発表した。単一の小型IoTモジュールから、LTE-M/NB-IoT接続をサポートする。 - セルラー通信機能搭載IoT機器開発パッケージ
STマイクロエレクトロニクスは、セルラー通信機能を持つIoT(モノのインターネット)機器用の開発パッケージ「STM32 Discovery Pack」を発売した。STM32マイコンを搭載した機器に最新の通信機能を容易に実装できる。