電力計の測定事例と校正:電力計の基礎知識(3)(4/4 ページ)
電力計の基礎知識を解説する連載3回目。最終回の今回は、「電力計の測定事例」「電力計の校正」について説明する。
電力計の校正
電力計は測定結果の信頼性を求められるため、定期的な校正が必要となる。
電力計のトレーサビリティー
電力計メーカーにとって、国家標準からのトレーサビリティー体系を社内にどのように構築するかは重要な開発テーマとなっている。電力計メーカーは、社内の構築されたトレーサビリティー体系をもとに設計、生産、修理/校正の各部署で必要とされる精度保証環境を確立している。
下図には、横河電機が構築している電力計のトレーサビリティー体系の概要を示す。
電力計校正の実際
開発用の高性能電力計の校正には高度な技能と専用の校正環境が必要となるため、測定器メーカーや信頼できる校正事業者で校正を行うことを勧める。
生産ラインなどで数多く使われる0.15〜0.2%クラスの電力計や保守の現場で使われるクランプ電力計、装置に組み込まれる電力モニターなどは、交流電力校正器を使用すれば利用者自身でも校正作業はできる。
上図では低力率での校正を考慮して外部に高性能電力計を接続しているが、低力率での校正を行わない場合は交流電力校正器単体での校正が可能である。
おわりに
パワーエレクトロニクス装置は今後とも高効率化と高度化が進み、システムでの効率測定が求められるようになると思われ、市場の新たな要求に応じた新たな電力計が今後とも登場するだろう。また、電力計メーカーは電力計だけではなく、周辺機器や計測ソリューションなどの提供を充実させると期待される。
転載元「TechEyesOnline」紹介
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