なりすまし検出付き自動車用推測航法モジュール:ユーブロックス NEO-M9L、M9140-KA-DR
ユーブロックスは、最高105℃で動作可能な車載グレードの測位向け「NEO-M9Lモジュール」と「M9140-KA-DRチップ」を発表した。推測航法による高度な位置情報と、GNSS信号のなりすまし検出機能を提供する。
ユーブロックスは2021年7月、最高105℃で動作可能な車載グレードの測位向け「NEO-M9Lモジュール」と「M9140-KA-DRチップ」を発表した。いずれも「u-blox M9 GNSSプラットフォーム」を採用し、推測航法(DR)による高度な位置情報と、GNSS信号のなりすまし検出機能を提供する。同年9月末までに、エンジニアリングサンプル(ES)と評価キットを提供開始する予定だ。
4つのGNSS衛星群を同時受信し、ADRとGNSSのデュアル出力に対応
「NEO-M9L-20A」「NEO-M9L-01A」は、6軸慣性計測ユニット(IMU)を搭載した自動車用推測航法(ADR)モジュールだ。低遅延100HzのRAWデータ出力と、低遅延50Hzの位置情報更新レートを提供する。4つのGNSS衛星群を同時に受信し、GNSS測位とIMUのデータを組み合わせて高精度の測位情報を出力するほか、GNSSのみの出力にも対応する。
AEC-Q104に準拠し、NEO-M9L-01Aの動作温度範囲は最大105℃で、ルーフ上やフロントガラスの内側、電子制御ユニット(ECU)内部への搭載が可能だ。
NEO-M9Lモジュールは、センサーベースのなりすまし検出を実装し、セキュリティ攻撃の可能性を通知する機能も備える。M9140-KA-DRチップも、GNSS信号のなりすましからナビゲーションシステムを保護する。
車載インフォテインメント(IVI)やヘッドユニットなどの統合ナビゲーションシステム、統合テレマティクス制御ユニット(TCU)やV2Xに適している。
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