連載
定格を無視!? 不可解な電源を抱えたX線コントロールユニットの修理【前編】:Wired, Weird(3/3 ページ)
今回は、電源に不具合を抱えたと思われる基板検査装置に使用されている「X線コントロールユニット」の修理の様子を報告する。
不具合は3つ
今までの調査で見つかった不具合は、
- 2つのDC24Vファンに異音発生と動作不良があった
- 電源入力の電解コンデンサーは耐圧35Vに38.4Vが印加されていた
- 2つのフォトカプラに劣化が予想された
の3つだった。
基板左側の2つのDC-DCコンバーター回路で上側の回路は動作していたが、下側の回路が動作していなかった。この回路はCPUのIOポートで動作が制御され、インタフェースのフォトカプラの出力をオンにすると動作を開始した。下側のDC-DCコンバーターの動作も正常だった。下側のDC-DCコンバーターの拡大図を図8に示す。
図8中央上にあるフォトカプラで電源制御ICのTL494の動作が制御されていた。このフォトカプラはCPU基板の下に実装されていたIOポートで駆動されていた。
今までの調査結果の不具合点を修理することにした。なお、DC48V出力電源をDC38.4Vで使っていることと、電解コンデンサーが過電圧で使用されていたことは大きな問題があるので、ランプ電圧の確認と合わせてメーカーへ問い合わせした。
この続きは次回に報告する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 38年前の記憶 〜半導体製造装置の不具合改善と闘ったあの頃
今回は筆者が38年前に経験した半導体製造装置の不具合対応の経験を報告したい。なお、機密保持の問題があり、会社名、製品名、図面などは開示できないので、ご容赦願いたい。 - ICをソケットから外すと驚きの事実が! ドイツ製の寒天製造機を修理【完結編】
今回は寒天製造機の修理の続きだ。修理を依頼されたドイツ製の寒天製造機を調べたところ多数の疑問点があった。ただ、販売代理店に問い合わせたところ、疑問が解ける回答を得ることができた。今回は販売代理店の回答を受けて、修理していった様子を紹介する。 - ドイツ製の寒天製造機を修理【原因追及編】
珍しい機器の修理依頼があった。寒天を作る機器で、しかもドイツ製だ。依頼者から『寒天があふれて、機器内部に入って動作不良になった。購入した販売代理店では修理できなかった』ということだった。面白そうなので修理を引き受けた。今回はドイツ製寒天製造機の修理を報告する。 - 電池の液漏れで故障したエアコンのリモコンを修理
今回は、電池の液漏れで故障したエアコン用リモコンの修理の様子を報告する。 - 単線の圧着が引き起こす不具合【前編】
減圧ポンプに使用されるモータードライバーの不具合調査を依頼された。不具合内容は「電源を入れると欠相のアラームが発生する」ということだった。今回はモータードライバーの不具合調査を報告する。