ヒューズ保護機能を搭載した車載用ハイサイドスイッチ:STマイクロ VNF9Q20F
STマイクロエレクトロニクスは、車載向け4チャネルのハイサイドスイッチ「VNF9Q20F」を発表した。独自のデジタル出力電流センス機能とSTi2Fuse技術を集積した。
STマイクロエレクトロニクスは2024年6月、車載向け4チャネルのハイサイドスイッチ「VNF9Q20F」を発表した。既に量産を開始していて、1000個購入時の単価は約2.850米ドル(約460円)となる。
ヒューズ保護機能や診断データ用のSPIを搭載
VNF9Q20Fは、同社のデジタル出力電流センス機能「VIPower M0-9 MOSFET」と、インテリジェントなヒューズ保護機能「STi2Fuse」技術を集積した。
STi2Fuse技術は、同社特許のI2t(電流二乗時間積)機能をベースとし、過電流を検出すると100マイクロ秒以内にMOSFETをオフする。同技術は、64通りの電流制限値を設定可能で、高精度で過負荷への応答時間を設定できる。
10ビットA-Dコンバーターやフォールトレジスタなどの機能を内蔵する。豊富な診断情報とデジタル電流検出フィードバックが可能になり、予知保全などの車載機能をサポートできる。
さらに、診断データ用のシリアルペリフェラルインタフェース(SPI)による診断機能を搭載。BIST(組み込みセルフテスト)により、ISO26262に準拠した自動車安全性レベルを満たすシステム開発に寄与する。フェイルセーフモードも内蔵していて、故障や動作不良時においても動作状態を維持する。
E/E(電気/電子)アーキテクチャに対応し、ヒューズやリレーの置き換え、ECU(電子制御ユニット)の絶縁、駐車中に動作するシステムの管理などにも使用できる。
パッケージには、6×6mmのQFNを採用した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 6軸センサーを備えた車載向けMEMS慣性計測モジュール
STマイクロエレクトロニクスは、3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを備えた、車載グレード対応のMEMS慣性計測モジュール「ASM330LHBG1」を発表した。ASIL-Bまでのシステム認証に対応する。 - 保護機能や診断機能を備えた車載用DCモーター向けゲートドライバーIC
STマイクロエレクトロニクスは、車載用DCモーター向けゲートドライバーIC「L99H92」を発表した。プログラミングや診断用のSPIポート、チャージポンプ回路、各種保護機能、2つの電流センスアンプを備える。 - 入力電圧3.3〜40Vに対応する車載/産業向けLDOレギュレーター
STマイクロエレクトロニクスは、車載および産業向け低ドロップアウト(LDO)レギュレーター「LDH40」「LDQ40」を発表した。3.3〜40Vの広い入力電圧に対応し、低静止電流を特徴としている。 - FA機器に適したRS-485トランシーバー、速度は40Mbps
STマイクロエレクトロニクスは、RS-485トランシーバー「ST4E1240」を発表した。40Mビット/秒(bps)の速度、PROFIBUSフィールドバス規格に準拠の出力、過渡保護、ホットスワップ保護を備える。 - MPUベースのシステムと同等性能を実現する汎用32ビットMCU
STマイクロエレクトロニクスは、汎用32ビットマイクロコントローラー「STM32H7」シリーズに「STM32H7R」「STM32H7S」を追加した。マイクロプロセッサベースのシステムと同等の性能、拡張性、セキュリティ機能を、マイコンで実現している。