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つれない返事にがっかり....制御ICが焼けたPLC電源の修理:Wired, Weird(2/2 ページ)
古いプログラマブルコントローラー(PLC)の電源2台の修理を依頼された。この電源は1985年に発売され2012年に販売中止になった製品だった。そんなに難しい構造、回路の電源ではなさそうだ。
2台目に着手、通電すると煙が...
2台目の基板を確認すると、ヒューズが切れ、ハンダ面に一部薄い変色があった。図5に示す。
仮ヒューズを付けて通電すると、一瞬だが煙が出て仮ヒューズが切れた。煙が出た位置を確認した。図6に示す。
図6左の、赤丸で示した制御ICが焼損していた。このICの型番は1台目と同じだった。再度Webを検索してもデータシートは見つからなかった。メーカーに問い合わせて、データシートの開示や代替品の部品の紹介を依頼したが、つれない回答だった。
お問い合わせいただいた電源制御ICにつきましてデータの開示はできません。市販品ではなく、専用開発品であるためです。データの開示ができませんので、代替品のご提案もできません。
情報提供がなく焼損しているので制御ICに何か問題があったのかもしれないと感じた。
やむを得ず代替の電源を探したところ、ヤフオクで安価に電源が出ていたので落札して基板を入れ替えた。通電して電源表示を確認した。消費電力は3.2Wだった。問題なく使えるだろう。
古い電源でICは生産中止して12年も経過しているのでメーカーのつれない対応はやむを得ない。とはいえ、制御ICが焼損しているので、きちんと原因を調べてほしいと思う。
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