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ステップアップ形DC/DCコンバーターの設計(5)チョークの電流連続性が途切れた場合のコンバーターの振る舞いたった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計(12)(3/3 ページ)

今回はいままで計算の前提にしてきたチョークの電流連続性が途切れた場合のコンバーターの振る舞いについて図を表す1次式を基に検討します。

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不連続モードでの負荷抵抗依存性の計算例

 条件:Vcc=10V、Vout=15V、f=100kHz、ton=3.33μs、L=55.6μHでは臨界電流IoMINは0.2Aです。
 負荷抵抗RLに換算すると75Ωですからこの値からRLを増加させていきます。

※75Ω(臨界)の場合

75Ω式A

から

75Ω式B

※RL=150Ω(不連続)の場合

150Ω式A

から

150Ω式B

 このようにして求めた計算値とLT-Spiceでのシミュレーション結果を図2に示します。両者は良好な一致を見せており計算が正しいと分かります。


図2:不連続モードでの出力特性

 今回は軽負荷モードでチョーク電流が不連続になった場合の動作について説明しました。その説明の中で負荷が切り離された時の異常電圧が危険電圧に達することがあること。そのため異常電圧を確実に抑制できる保護回路が必要であることを説明しました。
 次回はこの不連続モード時のリップル電圧の計算について説明するとともに負荷条件によってはチョーク電流が連続でも平滑キャパシターへの充電がtoff終了前に完了するモードも含めて説明します。


執筆者プロフィール

加藤 博二(かとう ひろじ)

1951年生まれ。1972年に松下電器産業(現パナソニック)に入社し、電子部品の市場品質担当を経た後、電源装置の開発・設計業務を担当。1979年からSPICEを独力で習得し、後日その経験を生かして、SPICE、有限要素法、熱流体解析ツールなどの数値解析ツールを活用した電源装置の設計手法の開発・導入に従事した。現在は、CAEコンサルタントSifoenのプロジェクト代表として、NPO法人「CAE懇話会」の解析塾のSPICEコースを担当するとともに、Webサイト「Sifoen」において、在職中の経験を基に、電子部品の構造とその使用方法、SPICE用モデルのモデリング手法、電源装置の設計手法、熱設計入門、有限要素法のキーポイントなどを、“分かって設計する”シリーズとして公開している。


⇒【連載「たった2つの式で始めるDC/DCコンバーターの設計」バックナンバー】

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