オン抵抗を63%低減した200VパワーMOSFET:リテルヒューズ IXTN400N20X4、IXTN500N20X4
リテルヒューズは、ウルトラジャンクションX4クラス200VパワーMOSFET「IXTN400N20X4」「IXTN500N20X4」を発売した。現行品と比較して、最大2倍の電流定格と最大63%低いオン抵抗値を達成している。
リテルヒューズは2024年12月、ウルトラジャンクションX4クラス200VパワーMOSFET「IXTN400N20X4」「IXTN500N20X4」を発表。同月上旬から発売した。
「業界最小」のオン抵抗
両製品は、現行の200VパワーMOSFETを進化させ、「業界で最も低い」(同社)オン抵抗を特徴としている。現行の最先端X4クラスMOSFETと比較して、最大2倍の電流定格と、最大63%低いオン抵抗RDS(on)値を達成している。
両製品を用いることで、並列に接続した複数の低電流定格デバイスを単一のデバイスに置き換えられる。これにより、ゲートドライバー設計の簡素化、信頼性の向上、電力密度の改善につながるほか、PCBスペースの専有率の削減に貢献する。
IXTN500N20X4の主な仕様は、定格電圧が200V、VDSSが200V、RDS(on)が1.99Ω(max.)、IDが500A、ゲート電荷量が535nC、熱抵抗が0.13K/W、CISSが41500pF、最大接合温度は175℃だ。
IXTN400N20X4の主な仕様は、定格電圧が200V、VDSSが200V、RDS(on)が3Ω(max.)、IDが340A、ゲート電荷量が348nC、熱抵抗が0.18K/W、CISSが27700pF、最大接合温度は175℃だ。
両製品ともパッケージには、ネジ止め端子を備えた窒化アルミニウムセラミックベース絶縁型SOT-227Bを採用。熱設計上の課題を低減できる。
主な用途として、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)、充電器、バッテリー構成、DCバッテリーロードスイッチ、電源などを見込む。
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