フラッシュメモリ容量が従来比2倍の近距離無線向けワイヤレスSoC:STマイクロ STM32WBA6
STマイクロエレクトロニクスは、近距離無線向けワイヤレスSoC(System on Chip)「STM32WBA6」シリーズを発表した。前世代品と比較して、最大2倍のフラッシュメモリやRAMを搭載している。
STマイクロエレクトロニクスは2025年3月、近距離無線向けワイヤレスSoC(System on Chip)「STM32WBA6」シリーズを発表した。既に量産を開始していて、単価は1万個購入時で約2.5米ドル(約372円)だ。
同製品は、プロセッサコアやペリフェラル、ワイヤレスサブシステムを搭載する。また、最大2Mバイトのフラッシュメモリや512KバイトのRAMを備えていて、これらは前世代品の「STM32WBA5」シリーズと比較し、容量がそれぞれ最大2倍になった。
2.4GHzで動作するBluetoothやZigbee、Matter、Threadに対応し、同時に複数のプロトコルを使用した通信が可能だ。Matterを用いる場合は、開発ツールの「X-CUBE-MATTER」ソフトウェアパッケージに含まれるMatter SDKを利用できる。
REDのサイバーセキュリティ要件に対応
ペリフェラル回路も豊富で、USB High Speedのほか、デジタルインタフェースとしてSPIポート3基、I2Cポート4基、USART3基、LPUART1基を備える。電力効率に優れた「Arm Cortex-M33」プロセッサを採用し、最大100MHzで動作する。浮動小数点ユニットやDSP拡張機能も搭載する。
他に、暗号化アクセラレーターや乱数発生器、「TrustZone」によるアイソレーションといったセキュリティアセットを備え、「SESIP3」「PSA Level3」の認証に対応。RED(欧州無線機器指令)のサイバーセキュリティ要件も満たしている。
スマートホームやスマートファクトリー、スマートヘルス、スマート農業向けのハイエンド機器での用途に適する。パッケージは、7×7mmのUFQFPN48から6×6mmのUFBGA121まで幅広いオプションから選択可能。3.78×3.46mmのWLCSP88も提供する。
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