125℃対応 産業/IoT向けマイクロプロセッサ、STマイクロ:高性能と低コストを両立
STマイクロエレクトロニクスは、産業機器やIoTデバイス向けの汎用マイクロプロセッサ「STM32MP23」シリーズを発売した。スマートホームやスマートファクトリー、HMI処理、予知保全など幅広い用途に適している。
STマイクロエレクトロニクスは2025年4月、産業機器やIoTデバイス向けの汎用マイクロプロセッサ「STM32MP23」シリーズを発売した。大量購入時の参考価格は、1個当たり約8.46米ドル(約1205円)だ。
STM32MP23シリーズは、最大1.5GHz動作のArm Cortex-A35コア2基と、400MHz動作のArm Cortex-M33コアを搭載。他に、0.6TOPSのニューラルネットワークアクセラレーター、3D GPU、1080p60対応のH.264デコーダー、MIPI CSI-2カメラインタフェース、TSN対応ギガビットイーサネットポート2つ、CAN-FDインタフェース2つを備える。
セキュリティ面では、セキュアブートやArm TrustZoneアーキテクチャ、タンパ検出、ハードウェア暗号化エンジンを搭載する。同社は同シリーズの、SESIP3およびPSAレベル1の認証取得を目指す。
OpenSTLinuxのサポート期間が5年に延長
Linuxベースの開発環境として、同社の「OpenSTLinux」ディストリビューションを利用できる。なお、OpenSTLinuxのサポート期間が従来の2年間から5年間に延長している。
ソフトウェア開発では、「Yocto」「Buildroot」「OpenWRT」「OpenSTDroid」といったフレームワークで作業できる。パッケージは3種のBGAを用意していて、いずれも同社従来品「STM32MP25」とピン配置の互換性を備える。ピッチは0.5mmまたは0.8mmから選択可能で、メッキを施したスルーホールを有する4層プリント回路基板に対応する。
動作温度範囲は−40〜+125℃(ジャンクション温度)。スマートホームやスマートファクトリー、スマートシティー、HMI処理、予知保全といった幅広い用途に適している。
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