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次世代光通信向けの差動出力発振器用IC、セイコーNPC:「高周波、高精度、低ジッタ」を実現
セイコーNPCは、差動出力発振器用IC「7070」シリーズの販売を開始した。バリキャップと温度補償回路の搭載により、高周波化や高精度化を達成。これにより、低ノイズで100〜500MHzの周波数範囲をカバーした。
セイコーNPCは2025年8月、差動出力発振器用IC「7070」シリーズの販売開始を発表した。
次世代光通信規格向けに「高周波」「高精度」「低ジッタ」を実現した製品で、2021年に採択された新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の研究開発委託事業「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究」で得た技術がベースになっている。
同シリーズは、バリキャップと温度補償回路の搭載により、高周波化や高精度化を達成。これにより、低ノイズで100〜500MHzの周波数範囲をカバーした。内蔵のワンタイムプログラマブル(OTP)メモリと温度補償回路で、水晶振動子の周波数温度特性を補償する。
LVPECLまたはLVDSでの出力が可能。動作温度は-40〜+125℃で、温度補償精度は±10ppm(-40〜+105℃)だ。
高周波帯バージョンも開発中
位相ジッタは30フェムト秒(オフセット周波数12〜20MHz、156.25MHz、3.3V、LVDS時の代表値)。基本波の発振周波数は100MHzから。最大500MHzの高周波帯バージョンも開発中だ。
2016(2.0×1.6mm)サイズの小型パッケージに実装可能で、消費電流は12mA(156MHz、1.8V、LVDS時の代表値)になった。次世代データセンターやDSP用クロック、光トランシーバーといった用途に適する。
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