耐量子暗号対応のセキュアモバイルチップ、ST:EUのICT向け規格に準拠
STマイクロエレクトロニクスは、耐量子コンピュータ暗号に対応したセキュアモバイルチップ「ST54M」を発表した。PQCのML-KEMとデジタル署名アルゴリズムのML-DSAをハードウェアで処理できる。
STマイクロエレクトロニクスは2026年6月、耐量子コンピュータ暗号に対応したセキュアモバイルチップ「ST54M」を発表した。すでにサンプル提供を開始していて、同年7月の量産開始を目指す。
同製品は、耐量子コンピュータ暗号を処理するハードウェア回路を備えたシングルダイソリューションだ。NFCコントローラーやセキュアエレメントIC、eSIM機能を搭載している。
耐量子コンピュータ暗号として、PQC(Post-Quantum Cryptography)のML-KEMとデジタル署名アルゴリズムのML-DSAをハードウェアで処理可能。ハイブリッド暗号方式から完全な耐量子コンピュータ暗号への移行を支援する。サイドチャネル攻撃やフォールトインジェクション攻撃への対策も盛り込んだ。
EUのサイバーセキュリティ認証制度に準拠
大容量メモリと強化したRFフロントエンドを搭載し、小型アンテナ、シングルエンド構成でのRF性能が向上した。また、リーダーとライターの安定動作をサポート。モバイルPOS(mPOS)やワイヤレス充電などにも対応する。
国際規格「Common Criteria 2022」をもとにEUが制定した、情報通信技術(ICT)製品向け共通サイバーセキュリティ認証制度「EUCC」に準拠した。2026年7月には、カード決済の国際標準「EMVCo」認証も取得する予定だ。
同社は、非接触型決済や入退出管理、交通機関の電子チケット、デジタル身分証明書、デジタルカーキー、運転免許証などを用途に想定する。移動体通信事業者や金融機関、行政機関、自動車メーカー、交通事業者、デジタルウォレット事業者などが関わる幅広いサービス基盤で利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「解読不可能」を破る量子コンピュータ――今から始める暗号セキュリティ
量子コンピュータの計算能力が実用レベルに達すれば、従来の暗号方式は解読され、犯罪目的に悪用される可能性がある。その日、いわゆる「Q-Day」に向けて、今からセキュリティ確保に取り組む必要がある。
マイコンのセキュリティ機能を詳細解説 〜ソフトウェア編〜
マイコンを使い込んでいる上級者を対象にさらなるスキルアップ、知識習得を目指す連載「ハイレベルマイコン講座」。前回に引き続き、マイコンで実現されるセキュリティ機能について詳しく解説する。
「サイバー攻撃に強い」組み込みシステム、どう構築する?
コネクテッドデバイス/IoT機器の数が増加する中、組み込みシステムにおいてサイバーレジリエンスはどう向上させられるのか。DigiKeyが半導体メーカー数社と議論した。
3軸加速度/ジャイロセンサー統合の車載IMU
STマイクロエレクトロニクスは、車載品質に対応した慣性測定ユニット「ASM330LHHG1」を発表した。3軸加速度センサーと3軸ジャイロセンサーを1パッケージに統合している。
2268測距ゾーン対応の3D LiDARモジュール、ST
STMicroelectronicsは、2268測距ゾーンに対応した3DダイレクトToF LiDARモジュール「VL53L9CX」を発表した。低演算量のエッジAIシステム向けに高精細な空間認識を実現する。
