センサ
センサとは、物理量を検出して、電気信号に変換するデバイス(素子)のこと。検出対象となる物理量に応じて、それ専用のセンサ素子が用意されている。現在、入手可能なセンサ素子の検出対象は、温度や圧力、振動、光、赤外線、加速度、角速度、電界、磁気、距離、流量、ガス、におい、音声など極めて幅広い。
センサ素子の開発における最近のトレンドには、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術の適用がある。MEMS技術とは、シリコン基板やガラス基板、水晶基板の上に、機械的な3次元構造物を作り込むものである。この技術を活用すれば、外形寸法が極めて小さいセンサ素子が実現できる。MEMS技術を適用した小型センサ素子としては、加速度センサや角速度センサ(ジャイロスコープ)、圧力センサ、マイクロフォン(音声センサ)などが実用化されており、スマートフォンやタブレット端末、デジタル・カメラなどに搭載されている。
後段の回路が重要に
センサ素子の出力は一般に、アナログの電圧値、もしくは電流値である。もちろん、これらのアナログ信号をそのまま処理するケースも少なくない。しかし、最近では、このアナログ信号をデジタル信号に変換し、マイコンなどで処理する例が増えている。その際に、重要になるのがセンサ素子の後段に接続する回路である。一般に、アンプやフィルタ、A/Dコンバータなどが使われる。いわゆるアナログ・フロント・エンド(AFE:Analog Front End)である。センサ素子と同じパッケージの中にアナログ・フロント・エンド部を収め、デジタル信号出力を実現している製品も投入されている。
アナログ・フロント・エンドの実例としては、テキサス・インスツルメンツ(TI)の「LMP91000」がある(図1)。化学センサやガス・センサに向けたアナログ・フロント・エンド・チップである。トランスインピーダンス・アンプ(TIA)や基準電圧源、バイアス電源などを集積した。TIAの利得や、基準電圧源の分圧比、バイアス電流などを設定するコンフィギュラブル機能を備えている。
図1 LMP91000の内部構成
トランスインピーダンス・アンプ(TIA)や基準電圧源、バイアス電源などを集積した。チップ内部のパラメータは、TIが提供するウエブ上の回路設計支援ツール「WEBENCH® Designer」で設定できる。
※WEBENCHはTexas Instrumentsの商標です。その他すべての商標および登録商標はそれぞれの所有者に帰属します。
提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日
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