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FM変調これだけは知っておきたいアナログ用語

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FM変調

 FM変調とは、送信したい情報(入力アナログ信号)を、搬送波の周波数を変化させることで伝送する方式のこと(図1)。FMとは「Frequency Modulation」の頭文字をとった言葉で、日本語では周波数変調と呼ばれる。

図1 FM変調の原理
図1 FM変調の原理
入力されたアナログ信号を、変調用の搬送波を使って変調をかける。こうすることで情報を伝送する。図に示したように、振幅は常に一定である。このためノイズに強いという大きなメリットが得られる

 FM変調も、AM変調(振幅変調)と同様に、最も基本的な変調方式の1つである。このため、応用分野は幅広い。FMラジオ放送や、アマチュア無線、ワイヤレス・マイクロフォン、消防無線、タクシー無線などの用途で使われている。この他、現在はサービスが停止している地上アナログ・テレビ放送でも、音声伝送にFM変調が使われていた。

ノイズに強い

 FM変調の最大のメリットは、ノイズ(雑音)に強い点にある。なぜならば、振幅は常に一定だからだ。仮に、伝送信号に振幅方向のノイズが載ってしまっても、レシーバ(受信機)のリミティング・アンプ(振幅制限器)で除去できる。さらに、変調に利用する周波数の変化(周波数偏移)を大きく設定すれば、ダイナミック・レンジや占有帯域幅が広がり、信号対ノイズ比(SN比)を高くすることができる。この結果、伝送信号の品質をさらに高められる。FMラジオ放送の音質がAMラジオ放送に比べて高かったり、ワイヤレス・マイクロフォンに採用されたりしているのは、こうした理由があるからだ。

 FM変調は、トランスミッタ(送信機)とレシーバの構成も比較的簡単だ。トランスミッタでは、電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator)を使って変調をかける周波数を変化させる。こうすることで周波数変調を実現している。一方、レシーバでは、前述のリミティング・アンプのほか、帯域制限フィルタや周波数-電圧(f-V)変換回路(クワドラチャ検波回路やレシオ検波回路など)などを使って、元のアナログ信号を復調する。

 なお、FM変調を利用してステレオ音声信号を伝送する方式は複数存在ある。具体的には和差方式や、AM-FM方式、FM-FM方式などがある。国内のFMラジオ放送では、AM-FM方式が採用されている。

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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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