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スマート・グリッド(スマート・メーター)これだけは知っておきたいアナログ用語

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スマート・グリッド(スマート・メーター)とは

 スマート・グリッド(スマート・メーター)とは情報・通信技術を活用して、送電・配電の効率向上、ユーザーの利便性向上、エネルギーの有効利用を実現しようとする次世代の電力網のこと。低消費電力マイコンや、コネクティビティ技術のほか、電源IC、データ・コンバータ、インターフェイスなどの広範なアナログICが今後の普及のカギとなっている。

 電力事業者は、発電所で発電した高圧の電気を送電し、途中で何段階かの降圧を行ってユーザーに配電する電力網をグリッド(Power Grid、Utility Grid)と呼んでいる。大量の電気エネルギーを効率良く蓄積する手段がないため、従来用いられてきたグリッドは発電した電力をそのままユーザー側に流し続ける一方通行のシステムであり、需要に応じて効率良く供給を制御することはできない。また、ユーザー側に設置される電力メーターは安価で電源を必要としない機械式メーターが主に用いられており、消費電力量を測定・表示する機能しか持たなかった。電力事業者は、個々の電力メーターを人手によって定期的に検針することが必要で、手間と費用がかかるだけでなく、ユーザーの電力需要をリアルタイムに知ることができなかった。

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図1 PLCとRFコネクティビティ・システム向けデータ・コンセントレータ・ソリューション

 アメリカでは、電力自由化によって2000年代に電力供給状況が悪化し、停電が増加するようになったことから、電力メーターにマイコンと双方向の通信機能を持たせたスマート・メーターを使用し、ユーザーの電力需要をリアルタイムで電力事業者が把握して最適な配電を行うスマート・グリッドが提唱されるようになった。

 スマート・メーターを用いればユーザー側でも電力の消費量がリアルタイムで分かるので、節電やピークシフトを積極的に行って電力料金低減の利益も得られる。それによって、地域全体での電力需給が改善され、省エネルギーを実現できる。電力事業者でも、検針コストを削減できる直接的な効果がある。さらに、ソーラー、風力、燃料電池、コージェネなどさまざまな発電設備を電力源としてグリッドに取り込んでいくことも容易になる。

 アメリカでは2009年から、その後欧米や中国でもスマート・メーターの導入が急速に進められるようになり、日本でも2014年の省エネ法改正によって各電力会社が本格的導入を始めている。それに伴って、全世界で毎年数千万台にものぼるスマート・メーターが市場に出荷されるようになった。また、電力事業者側でも通信ネットワークや電力制御などさまざまな装置が新たに用いられるようになっている。

 さらに、電力だけでなく、ガス、水道などさまざまなインフラ事業においてスマート・メーターの普及と供給の効率化が提唱されており、スマート・グリッドは今後も大きく発展していくと考えられている。



提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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