中国向けセルラーV2Xオールインワンモジュール:アルプスアルパイン UMCC1シリーズ
アルプスアルパインは、セルラーV2Xオールインワンモジュール「UMCC1」シリーズを発表した。中国のGohigh Data Networks Technologyと共同開発したもので、中国市場で展開する。既に量産を開始し、2021年1月には月産20万個を予定している。
アルプスアルパインは2020年9月、モバイルネットワークを利用した車車間、路車間通信を可能にする「セルラーV2X」オールインワンモジュール「UMCC1」シリーズを発表した。Gohigh Data Networks Technologyと共同開発したもので、中国市場をターゲットにしている。同年7月から量産を開始しており、2021年1月には月産20万個を予定している。
セルラーV2Xの実用化が進む中国市場で展開開始
UMCC1シリーズは、中国向け3GPP Rel.14(PC5 mode4)に準拠する。アプリケーションプロセッサ、V2Xプロトコルスタックを一体化したことで、車載ユニット側のホストCPU負荷を低減した。
また、電源回路を内蔵し、車載ユニットの拡張性を高める。セルラーV2Xモジュール評価キット「Evaluation Board & Kit」を用意しており、ユニット設計の開発と評価工数の軽減にも貢献する。
外形寸法は39.7×35.8×3.82mm。周波数範囲は5905M〜5925MHz、帯域幅は10MHz、20MHz。電源電圧は5.0V、3.8Vで、送信出力は最大+23dBm、6Mビット/秒での受信感度は−97dBmだ。デュアルアンテナ(受信ダイバーシティー、送信シングル)に対応する。使用温度範囲は−40〜+85℃となる。
同モジュールはIMT-2020実証実験にも参画しており、相互接続性と信頼性を確認している。テレマティクス制御ユニット、V2Xオンボードユニット、V2Xロードサイドユニットでの利用を見込む。
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