ドライバモニタリング向けイメージセンサー:STマイクロ VB56G4A
STマイクロエレクトロニクスは、ドライバモニタリングシステム向けにグローバルシャッター機能を備えたイメージセンサー「VB56G4A」を発表した。高性能で低消費電力、かつ信頼性に優れたドライバモニタリングシステムの設計を簡略化する。
STマイクロエレクトロニクスは2022年5月、DMS(ドライバモニタリングシステム)向けにグローバルシャッター機能を備えたイメージセンサー「VB56G4A」を発表した。既に主要顧客向けにサンプル出荷を開始している。2023年初頭に量産を開始し、2024年モデルの車両に実装予定だ。
940nmの近赤外波長における量子効率(QE)が24%と高く、線形ダイナミックレンジが最大60dBとなっている。そのため、消費電力を抑えたシンプルな不可視光LEDエミッターを用いる場合でも、十分な光量をセンサーに供給できる。
ピクセルサイズを2.6μmに抑えたことで、システム全体の消費電力低減やカメラサイズの小型化に寄与する。また、自動露光制御機能により、システムとセンサー間の相互制御を最小限に抑えるほか、ソフトウェアの設計を簡略化できる。
システム性能を最適化する多様な動作モード
外部接続用として、8つのプログラマブル汎用IO(GPIO)ピンや、1レーンあたり最大1.5Gビット/秒で動作するデュアルレーン「MIPI CSI-2」トランスミッターインタフェースなどを備えた。解像度は最大88フレーム/秒。60フレーム/秒時の消費電力は145mWとなっている。
動作モードでは、4フレームコンテキストのプログラムが可能なシーケンス、外部フレーム起動信号向けの入力、センサーの積分時間と同期可能な照明制御出力、黒レベルの自動補正、動的ピクセル欠陥修正、画像クロップ、ミラーおよびフリップ画像の読み出しなどが可能となっている。
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