誘導および液体センシングも Multi-Sense機能搭載マイコン:インフィニオン PSOC 4000T
インフィニオン テクノロジーズは、同社のマイクロコントローラーファミリー「PSOC 4」に、「誘導センシング」「液体センシング」「CAPSENSEホバータッチ」の3機能を追加した。
インフィニオン テクノロジーズは2025年3月、同社のマイクロコントローラー(MCU)ファミリー「PSOC 4」にMulti-Sense機能を追加した「PSOC 4000T」を発表した。具体的には、「誘導センシング」「液体センシング」「CAPSENSEホバータッチ」の3機能を加えている。
誘導センシングは、同社の静電容量センシング技術「CAPSENSE」を補完するもので、ノイズの影響を受けにくい点を特徴とする。感圧タッチ面や金属タッチボタン、近接センシングといった、新たな用途向けの金属ベースの防水設計が可能となる。
液体センシングは非侵襲かつ非接触で、AIや機械学習(ML)ベースの処理アルゴリズムを有する。温度や湿度といった環境要因に耐性があり、さまざまな形状の容器内の液面を最大10ビットの分解能で検出可能だ。残留物や泡の除去といった用途に適していて、ロボット掃除機、コーヒーメーカー、洗濯機の洗剤ディスペンサー、加湿器といった液体を管理する用途に適している。
非接触タッチ機能も搭載
CAPSENSEホバータッチは、ボタンに直接触れずに操作できる。ガスコンロのタッチパネルのばねやガスケットといった部品の削減に寄与する。
Multi-Sense機能と第5世代のCAPSENSEを搭載したマイクロコントローラーは「PSOC 4000T」が初の製品となる。同社は既にPSOC 4000Tの供給を開始している。
また2025年4〜6月には、より多くのメモリとIOを備えた「PSOC 4100T Plus」にもMulti-Sense機能が組み込まれる。その後は、CAPSENSEを搭載したPSOCファミリー製品の全てにMulti-Sense機能が備わる予定だ。
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