LED駆動における直列接続と並列接続
ディスプレイのバックライトや一般照明、道路灯などの用途では、複数個の高輝度LEDを同時に駆動することが多い。これらのLEDは、直列と並列を組み合わせて接続し、駆動する必要がある。この際、どのような接続方法を採用すればよいのだろうか。
28灯のLEDを駆動する場合を例に説明しよう。考えられる接続方法は6つある。14個のLEDを直列に接続したストリングを2つ並列に接続する方法(14直×2並)と、7直×4並、4直×7並、2直×14並、28直×1並、1直×28並である。
果たして、どの接続方法が最適なのか。直列接続数が多い方が良いのか、並列接続数が多い方が良いのか。この問題に対する答えを出すには、直列接続と並列接続それぞれのメリットとデメリットを理解する必要がある。
明るさ均一も、高耐圧チップが必要
現在、同期整流は多くのスイッチング・レギュレータに採用されており、今や「当たり前」の回路技術になったと言って過言ではない。
直列接続の最大のメリットは、1つのストリングに接続したすべてのLEDの明るさを均一にできることである。全LEDに対して同じ電流を供給できるからだ。しかも、1つの出力で複数のLEDを駆動できる。従って、単純な構成の回路で済むというメリットもある。このほか、1つのLEDがショート(短絡)・モードで故障しても、それ以外のLEDは点灯を維持できる点もメリットとして挙げられるだろう。
デメリットは、駆動電圧が高くなることだ。14個のLEDを直列に接続した場合、順方向電圧降下(VF)を4Vとすると、駆動電圧は56Vに達する。28個ならば112Vである。一部の半導体メーカーを除き、一般的に駆動電圧が高いLEDドライバICの選択肢は少ない。入手できるLEDドライバICが限られてしまう。耐圧が高い特殊な製造プロセス技術が必要になるからだ。さらにデメリットとして、1つのLEDがオープン(開放)・モードで故障しただけで、ストリングすべてのLEDを点灯できなくなる点も挙げられる。
低電圧駆動が可能だが、明るさにばらつき
並列接続のメリットは大きく2つある。1つは、低い電圧で数多くのLEDを駆動できることである。例えば、2直×14並であれば、8Vの駆動電圧で28個のLEDを駆動できることになる。もう1つは、1つのストリングが何らかに理由で故障して点灯しなくなっても、ほかのストリングは点灯し続けられることである。つまり、故障に強い回路を組むことが可能である。
デメリットは全部で2つある。第1に、並列に接続した複数のストリングの供給電流を同じ値に制御することが難しいことである。ストリングによって、LEDの明るさにムラが生じてしまう。第2に、駆動回路が複雑になることである。並列数が14であれば、14個のストリングに対する配線が必要になる。さらに、回路構成によってはすべてのストリングに対して個別に電圧/電流制御をかけなければならない。この結果、コスト増を招く。
テキサス・インスツルメンツのインタフェース製品ラインアップ
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アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日
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