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LED駆動と位相調光

» 2010年06月21日 00時00分 公開
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LED駆動と位相調光

 調光(Dimming)とは、照明の明るさを調整する機能のこと。一般住宅の壁に付いているツマミを回したり、リモコンを操作したりすることなどで、照明の明るさを連続的に、もしくは段階的に変えることができる。液晶パネル用バックライトの明るさを調整する機能も調光の一種である。キーボードに割り付けたキーや、ディスプレイのボタンを押すことなどで、画面の明るさを調整できる。

 現在、一般照明器具やバックライトなどの市場において、既存の白熱電球や蛍光灯、冷陰極蛍光管(CCFL)をLEDで置き換える動きが活発である。LEDに置き換えれば、消費電力を削減したり、発熱量を抑えたり、色の再現範囲を広げたりできるというメリットが得られるからだ。だからといって、「白熱電球や蛍光灯、CCFLで実現できたことが、LEDでは実現できない」ということは許されない。従って、LEDを使った照明器具やバックライトでも調光は必須の機能である。

実現方式はPWM調光とアナログ調光の二つ

 LED駆動における調光機能の実現方法は大きく分けて二つある。一つはパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)調光方式。もう一つはアナログ調光である。それぞれの方式を順番に説明しよう。

 PWM調光方式は、LED素子の点灯時間と消灯時間を制御することで明るさを調整するというものだ。点灯時間を長くすれば明るくなり、点灯時間を短くすれば暗くなる。この点灯時間と消灯時間の長さを決めるのがPWM信号である。実際には、PWM信号のデューティ比(オン時間とオフ時間の割合)を調整することで明るさを制御している。

ただし、点灯と消灯を繰り返す周波数が低いと、人間の目には「ちらつき」と感じてしまう。従って、PWM信号の周波数を十分に高める必要がある。一般照明器具や液晶パネルのバックライトなどの用途であれば、200Hz程度に設定すれば問題ないだろう。しかし、製造ラインなどで使うマシン・ビジョンなどの用途では、200Hz程度だと取得した画像に干渉縞が現れてしまう可能性が高い。そこで、こうした用途では1kHz程度と高めに設定する必要がある。

 もう一つの実現方式であるアナログ調光方式は、LED素子に供給する電流量を変化させることで明るさを調整するという方法だ。電流量を増やせば明るくなり、減らせば暗くなる。

 PWM調光方式とアナログ調光方式を比較した場合、アナログ調光方式のメリットはシンプルさにある。外部から供給する電圧値を、電子ボリュームや可変抵抗器などを使ってアナログ的に変化させることで実現できる。一方、PWM調光方式のメリットは、広いダイナミック・レンジ(制御可能な明るさの範囲)を確保できることにある。特に、暗くする場合に、より暗くすることが可能になる。

位相調光への対応には一工夫必要

図1 図1 位相調光の原理
トライアックにトリガーを与えるタイミング(位相、角度)を制御することで明るさを調整する。なお、サイリスタでも同様の制御が可能だが、半波分しか制御できない。

 このほか、一般住宅の照明器具では、位相調光と呼ぶ方式が採用されている。これは、サイリスタを向かい合わせに(逆並列に)組み合わせたトライアックを使い、入力された交流の一部分を切り出すことで明るさを調整する方式だ。 原理を詳しく説明する。交流波形の途中でトライアックにトリガーを与えると、ダイオードは導通状態に変化し、交流波形が0Vになるまでその状態が続く(図1)。 トリガーを与えるタイミング、つまり交流波形を切り出す角度を制御して明るさを調整することから位相調光と呼ばれる。トリガーを与えるタイミングが早ければ(角度が小さければ)明るくなり、タイミングが遅ければ(角度が大きければ)暗くなる。

 位相調光は、明るさが投入電力の実効値で決まる白熱電球との整合性が高い。しかし、LED照明は、入力された交流電力をLEDドライバICで直流電圧/電流に変換して駆動する。従って、位相情報がLEDに伝わらない。何らかの工夫が必要になる。そこでLEDドライバICメーカーは、さまざまな方法で位相情報をLED駆動に反映させている。例えば、LEDドライバICにおいて、位相情報をPWM信号に変換する方法や、供給電流に反映させる方法などである。つまり、LED駆動においては、位相調光方式は調光の実現方法ではない。明るさの設定情報を作成する手段の一つである。

 テキサス・インスツルメンツでは、位相調光対応LEDドライバの製品ラインナップを提供している。例えば、LM3448 LEDドライバの場合、リーディングエッジ・トライアック/トレーリングエッジ電子調光器と互換性のある位相角調光デコーダを内蔵しており、フルレンジLED調光を可能にする。2Wから8Wの調光対応LED照明機器の駆動に最適である。


テキサス・インスツルメンツのインタフェース製品ラインアップ


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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日

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