電気自動車(EV)や工場の自動化で使われる制御機器では、エネルギー効率の向上のためにより高精度な電流センシングのニーズが高まっている。Texas Instruments(TI)はこうした要求に応えるべく、電流センシングソリューションを拡充している。2023年8月には、EVの800Vバッテリーシステムでも使えるホール効果電流センサーや電流センシングソリューションを大幅に小型化するシャント抵抗内蔵電流モニターを発表した。いずれも、電流検知システムの設計を簡素化できる製品だ。
電気自動車(EV)において、トラクション・インバータの高効率化はEVの航続距離の延長に直結する重要な要素だ。既存のトラクション・インバータにおいてさらなる高効率化が課題となる中、Texas Instrumentsは新たなゲート・ドライバを開発した。ゲート駆動能力をリアルタイムに切り替えることでSiC-MOSFETのスイッチング損失を抑え、システム効率を最大2%向上させる。これにより、EVの航続距離を年間で最大1600km延長できる。
自動車や産業機器などの電気システムでは、EMI(電磁干渉)対策が重要性を増している。Texas Instruments(TI)が開発したスタンドアロンのアクティブEMIフィルタICを使えば、設計や実装が難しかったアクティブEMIフィルタを容易に構成できる。従来の受動EMIフィルタよりも大幅な小型化も可能だ。
産業機器や医療機器において、安全性を実現するための絶縁技術は欠かせない。使用年数が数十年に及ぶことも多いこれらの機器では、絶縁性能も、同様に長い期間維持することが求められる。そうした中、寿命(経年劣化)が存在するフォトカプラーに代わる絶縁素子として注目されているのがデジタルアイソレータだ。Texas Instruments(TI)は、20年以上にわたる研究開発と自社製造の強みを生かし、最新のデジタルアイソレータをはじめとする幅広い絶縁ソリューションを手掛けている。
システムの安全性と堅ろう性を実現するために欠かせない絶縁技術。絶縁性を確保する部品として、従来のメカニカルリレーに代わって台頭し始めているのが、可動接点部分のないソリッドステート・リレー(SSR)だ。20年にわたり絶縁技術に投資してきたTexas Instruments(TI)が電気自動車(EV)と産業機器向けに発表した新しいSSRは、従来のリレーから置き換えることで、システムの信頼性を向上しつつ、ソリューションサイズを最大90%削減することも可能になる。
世界的に「省エネ」への要求が高まる中、IoT(モノのインターネット)機器を含むバッテリー駆動機器にも、さらなる低消費電力化が求められている。Texas Instruments(TI)が、低静止電流技術と統合技術を駆使して開発した新しい昇降圧コンバータは、あらゆるバッテリー駆動システムに大きな省エネ効果をもたらす。
電気自動車(EV)の電源アーキテクチャでは、小型化や信頼性向上のために、各ゲートドライバに個別のバイアス電源を割り当てる分散型電源アーキテクチャへの関心が高まっている。Texas Instruments(TI)の絶縁型DC/DCバイアス電源モジュール「UCC14240-Q1」は、トランスと閉ループ制御を統合することで小型化を実現し、分散型電源アーキテクチャに活用しやすくなっている。
リアルタイム制御や産業用ネットワークのサポート、高性能処理、セキュリティなど、スマート工場や自動運転に必要とされる性能を、1チップで実現するマイコンが登場した。Texas Instrumentsは、マイコン設計のシンプルさとプロセッサレベルの処理性能を併せ持つ「Sitara AM2x」によって、マイコンの性能を“再定義”する。
今や、電子機器において不可欠となっているEMI対策。Texas Instruments(TI)は長年、EMIの低減とEMI規格適合への迅速化を実現する電源ICの開発に注力してきた。TIの最新の電源ICに搭載された、低EMI化に向けた2つのアプローチを探る。
テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments/以下、TI)は、豊富な品ぞろえを誇る半導体製品群を確実に届け、自然災害など不測の事態が発生した場合にも半導体製品を継続して迅速に供給できるよう、さまざまな取り組みを進めている。その一環として、2021年2月にはオンライン購入サイトを刷新。高信頼性製品、最新製品をどこよりも安く、早く、簡単、確実に手に入れることができるようになった。
電気自動車やハイブリッド自動車で注目度が高まっているワイヤレスBMS(Battery Management System)。Texas Instruments(TI)は、同社が強みとする高精度な電源制御技術とワイヤレスマイコンを組み合わせた、最新のワイヤレスBMSソリューションを発表した。TÜV SÜDの安全性評価に準拠した、ASIL-Dのシステムを「業界として初めて」(TI)実現した。
10年間、GaNパワーデバイスの研究開発に投資し、性能と信頼性を向上してきたTexas Instruments(TI)。同社が開発した新しい650Vおよび600VのGaN FETは、Siliconドライバや保護回路を統合することで、電力密度をさらに高めた製品となっている。
電源において、常に最も重要な課題の一つとなっているのが電力密度だ。電力密度の向上は、電源サイズの縮小、部品点数の減少、システムコストの削減など、多くのメリットに直結している。Texas Insrtuments(TI)は、4つの主要分野において、電力密度の向上におけるイノベーションをけん引している。
IoTとAIの時代が到来し、さまざまな機器で膨大な量のデータが処理され、グローバルなレベルでデータが行き交うことから、増加する電力需要に応えられる拡張機能を備えたパワーエレクトロニクス製品が求められている。Texas Instruments(TI)は、こうした要件を満たす、高い電力密度や変換効率を実現した最新のGaN製品や降圧型DC/DCコンバータを展開している。
ロームは、プライマリーLDOレギュレーターの新製品「BD7xxL05G-C」シリーズを発表した。2.9×2.8mmと小型ながら耐圧が最高45V、消費電流が6μAとなっており、常時駆動を要する冗長電源の構築に適する。
onsemiは2023年1月3日(米国時間)、SiC(炭化ケイ素)を用いたパワーデバイス製品群の名称を「EliteSiC」とすると発表した。
新電元工業は、ブリッジダイオード「D40XB100」を発表した。定格電流40A、1000V耐圧で、大電力化が進む大型エアコンなどに適する。
サンケン電気は、LED照明用の制御IC「LC5581AS」「LC5581LS」の量産を開始した。電解コンデンサーを入力に用いない1コンバーター方式を採用し、軽負荷での動作時も高調波規制「IEC 61000 3 2 Class C」に対応する。
TDKは、高電圧直流入力に対応する、絶縁型DC-DCコンバーター「PH1200A280」の販売を開始した。入力電圧範囲は200〜425VDCで、出力電圧12、24、28、36、48VDCの5種を用意する。
三菱電機は、最大定格電流30A、定格電圧600Vのパワー半導体モジュール「SLIMDIP-Z」を開発、2023年2月より発売する。高性能化が進むエアコンや洗濯機など、家電製品のインバーター用途に向ける。
日清紡マイクロデバイスは、1セルリチウムイオン電池向けの保護IC「NB7141」「NB7140」シリーズのサンプル受注を開始した。ウォッチドッグタイマーや強制リセット機能などを搭載している。
Power Integrationsは、ゼロ電圧のスイッチング電源用IC「InnoSwitch4-Pro」ファミリーを発表した。CCMとDCMの双方でゼロ電圧のスイッチングができ、疑似共振スイッチングにも対応する。
インフィニオン テクノロジーズは、950VのMOSFET「CoolMOS PFD7」ファミリーを開発した。高速ボディーダイオードを内蔵したほか、逆回復電荷を低減し、デバイスの堅牢性とBOMの削減を可能にした。
ロームは、車載電装システムや産業機器に向けた、40V耐圧1チャネル/2チャネル出力のローサイドインテリジェントパワーデバイス(IPD)「BV1LExxxEFJ-C/BM2LExxxFJ-Cシリーズ」8製品を開発した。
ロームは、小型パッケージの採用や低電力損失を実現した20V耐圧のnチャネルMOSFET「RA1C030LD」を開発、量産を始めた。ワイヤレスイヤフォンやウェアラブル機器などの用途に向ける。
ビシェイ・インターテクノロジーは、DCブロッキングに適した表面実装MLCCを発表した。3MHz〜18GHzの一般的な周波数帯域を対象としており、HF、VHF、UHF、L、S、C、X、Kuの周波数帯域に対応している。
村田製作所は、最大1GHz帯までのノイズを低減し、最大2.3Aという大電流にも対応できる自動車向けチップフェライトビーズ「BLM21HEシリーズ」を商品化、量産を始めると発表した。
リテルヒューズジャパンは、航空機のサブシステム向けTVSダイオード「5.0SMDJxxS-HRA」シリーズを発表した。サージ対応能力が66%向上したほか、電子部品のアップスクリーニングにより、サージ連続発生時の性能低下を抑制する。
STマイクロエレクトロニクスは、3.5×4.5mmと小型の同期整流式降圧レギュレーター「L3751」を発表した。産業機器やバッテリー駆動の軽電気自動車、24Vまたは48Vバスの通信機器やネットワーク機器に適する。
日本ケミコンは、従来比で体積当たりの容量を最大約60%拡大した、基板自立形アルミ電解コンデンサー「KHU」「LHU」シリーズを発表した。スイッチング電源や汎用インバーターなどの小型化、長寿命化に貢献する。
日清紡マイクロデバイスは、降圧DC-DCスイッチングレギュレーター「NC2600」シリーズの販売を開始する。PWMとPFMとの自動切り替え機能を搭載し、小型のWLCSP-8-P11をパッケージに採用しており、実装面積を削減できる。
日置電機は、AC-DCハイボルテージディバイダー「VT1005」の販売を開始する。最大5000Vの電圧を分圧し、パワーアナライザーに出力するもので、インバーター出力側の電力に含まれる各成分を捕捉できる。
エイブリックは、1セルバッテリー保護IC「S-82Y1B」シリーズを発売した。スマートフォンやウェアラブル機器などで使用し、リチウムイオンまたはリチウムポリマー二次電池パックの安全な急速充電を可能にする。
新電元工業は、三相交流入力の整流回路向けダイオードモジュール「MG038」シリーズに、1600V耐圧の「MG038C」「MG038D」を追加した。400V入力機器に対応し、産業用ロボットシステムなどのコンバーター回路に適する。
Nexperiaは、産業/車載用途に向けて、クリップボンドFlatPower(CFP)パッケージを用いた32種類の「プレナーショットキーダイオード」と、8種類の「超高速リカバリー整流器」を発表した。
STマイクロエレクトロニクスは、高電圧スタートアップ回路を内蔵したPFCブーストコンバーター「L4985A/B」「L4986A/B」を発表した。THDを最小化する独自の乗算エミュレーターや専用回路を搭載する。
STマイクロエレクトロニクスは、車載用オルタネーターレギュレーターIC「L9918」を発表した。VDAのLINオルタネーターレギュレーター規格や、機能安全規格「ISO26262」の「ASIL-B」に準拠しており、車載用12Vシステムの安定性を高める機能を強化した。
エイブリックは、充電/放電過電流検出電圧精度が±0.5mVと高い1セルバッテリー向け保護IC「S-82Y1Bシリーズ」の販売を始めた。大容量化が進むバッテリーの急速充電を可能にし、応用機器の安全性も高めることができるという。
DC-DCコンバーターをより深く理解するために、DC-DC回路とトポロジーについて解説する本連載。DC-DCコンバーターを使いこなすための実用的ヒントを要所要所にちりばめました。まずは、電力安定化について、トポロジーごとに解説していきます。
今回は、“電源修理のコツ”を紹介したい。電源は「電解コンデンサーを全て交換すれば、修理できる」という極端な話もあるが、効率よく確実に電源を修理するためのポイントを実例を挙げながら説明していこう。【訂正あり】
電源設計に求められる要件は、多くなっています。高効率/高電力密度、迅速な市場投入、規格への対応、コストダウンなどを考慮せざるを得ず、電源設計におけるテスト要件も複雑化しています。そこで、本連載では、3回にわたって、複雑な電源設計プロセスの概要と、プロセスごとのテスト要件について説明していきます。
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「マイコン周辺部品の選び方――電源編」です。
これまでの連載で、電流制御コンバータには三角波のようなパルス状の電流が流れることが分かりました。今回は、そのパルス電流と交流電源の関係について解説します。
USB Power Delivery(USB PD)をご存じでしょうか? 100Wまでの給電を全てUSBケーブルで行ってしまうという新しいUSB規格。既にUSB PDの仕組みを搭載したPCも発売されています。ここでは、あらゆる機器の給電スタイルを一新する可能性のあるUSB PDがどのような規格で、どんなことができるかなどを解説していきます。
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流の電流測定および周波数測定と仕様の見方について説明する。
スイッチング電源が普及してしばらくがたつ。PFC回路の搭載など進化してきた一方で、弱点を抱えているのも事実で、焼損の可能性を持つスイッチング電源は少なくない。スイッチング電源、PFC電源の弱点をいま一度見つめ、安全性を高める方法を考えてみたい。
今回は、正電圧出力に比べてそれほど一般的ではない負電圧出力(または反転)DC-DCコンバーターソリューションの基本を解説します。
今回は電源投入の約5秒後にブレーカーから火花が出て電源が落ちる高圧電源の修理の続きだ。
SiCパワーMOSFETを採用した電源回路の回路シミュレーションを実行する際は、設計したプリント基板の配線レイアウトを解析し、その寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスを分布定数として高精度で抽出する必要がある。
SiCパワーMOSFETのデバイスモデルの精度向上には、「大電流/高電圧領域のId-Vd特性」および「オン抵抗の温度依存性」を考慮しデバイスモデルに反映させることも重要となる。今回はこの2点に関する解説を行う。
ロームは、電源ICの負荷応答特性を向上させる新たな電源技術「QuiCur(クイッカー)」を確立したと発表した。電源回路の設計工数を大幅に削減することが可能になる。
スイッチング動作が極めて高速なSiCパワーMOSFETを用いた電源回路設計では、回路シミュレーションの必要性に迫られることになるが、従来のモデリング手法を用いたデバイスモデルでは精度面で課題があった。本連載では、この課題解決に向けた技術や手法について紹介する。
電磁気学入門講座。今回は「相互インダクタンス損失」と「渦電流損失」について説明していきます。
取引先から紹介された会社からモータードライバーの修理を依頼された。不具合の症状は『高速回転は問題なく動作するが、低速回転で逆回転する。低速の正常回転数 0.66に対し現在は0.05』と非常に具体的だった。この症状からするとモーターのトルクが足りてないようだ。依頼者は現場で活躍している人なので、何とか依頼に応えたいと思い修理を引き受けた。
今回は、コアの飽和を制御する方法として、コアにエアギャップを設ける「エアギャップインダクター」や、標準的な「コア形状」について解説します。
ユーザー・プログラマブルPMICならば、同じPMICを複数のプロジェクトで再利用できるため、迅速にプロトタイプ作成が進み、開発期間を短縮できます。
高周波数のスイッチングでも、フライバックトポロジを最適化して効率をはるかに高められる新しい方法があります。この記事では、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)が可能なアクティブクランプフライバックトポロジで電力密度を高められる仕組みを説明し、さらなる効率向上のためにトポロジを最適化する2通りの方法を紹介しようと思います。その1つはスイッチノード容量の削減、もう1つは2次共振回路の利用です。
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。56回目は、初級者の方からよく質問される「マイコンの電源の逆電圧が端子に印加されたら何が起こる?」についてです。
年々注目度が増すワイドバンドギャップ(WBG)半導体。その中で、現在最もシェアが高いのはSiC(炭化ケイ素)だ。SiCスイッチの特性と、同素子を使う際の設計上の注意点を説明する。