太陽光発電システムやデータセンター、EV(電気自動車)など、さまざまなアプリケーションの電源ユニットにおいてより高い電力密度の要求が高まっている。Texas Instruments(TI)が発表した100V GaN統合型パワーステージとトランス内蔵の1.5W絶縁型DC/DCモジュールは、このニーズに応える製品だ。100V GaN統合型パワーステージはシリコンを採用する場合に対してボードサイズを40%削減できる。トランス内蔵の1.5W絶縁型DC/DCモジュールでは外付けの大型トランスが不要なのでソリューションサイズを最大で約80%削減可能だ。
ノートPCなどの電源アダプターは「大きくて重いもの」。そんな“常識”が変わるかもしれない。Texas Instruments(TI)が発表した新しいGaN FETは、電流センシング機能を統合したことでAC/DC電力変換システムの高効率化と小型化を両立させられる製品だ。標準的な67W電源アダプターであれば、Si FETを用いた従来品よりも50%小型化できる。電源アダプターやUSB電源の大幅な小型化に大いに貢献するはずだ。
電気自動車(EV)や工場の自動化で使われる制御機器では、エネルギー効率の向上のためにより高精度な電流センシングのニーズが高まっている。Texas Instruments(TI)はこうした要求に応えるべく、電流センシングソリューションを拡充している。2023年8月には、EVの800Vバッテリーシステムでも使えるホール効果電流センサーや電流センシングソリューションを大幅に小型化するシャント抵抗内蔵電流モニターを発表した。いずれも、電流検知システムの設計を簡素化できる製品だ。
電気自動車(EV)において、トラクション・インバータの高効率化はEVの航続距離の延長に直結する重要な要素だ。既存のトラクション・インバータにおいてさらなる高効率化が課題となる中、Texas Instrumentsは新たなゲート・ドライバを開発した。ゲート駆動能力をリアルタイムに切り替えることでSiC-MOSFETのスイッチング損失を抑え、システム効率を最大2%向上させる。これにより、EVの航続距離を年間で最大1600km延長できる。
自動車や産業機器などの電気システムでは、EMI(電磁干渉)対策が重要性を増している。Texas Instruments(TI)が開発したスタンドアロンのアクティブEMIフィルタICを使えば、設計や実装が難しかったアクティブEMIフィルタを容易に構成できる。従来の受動EMIフィルタよりも大幅な小型化も可能だ。
産業機器や医療機器において、安全性を実現するための絶縁技術は欠かせない。使用年数が数十年に及ぶことも多いこれらの機器では、絶縁性能も、同様に長い期間維持することが求められる。そうした中、寿命(経年劣化)が存在するフォトカプラーに代わる絶縁素子として注目されているのがデジタルアイソレータだ。Texas Instruments(TI)は、20年以上にわたる研究開発と自社製造の強みを生かし、最新のデジタルアイソレータをはじめとする幅広い絶縁ソリューションを手掛けている。
システムの安全性と堅ろう性を実現するために欠かせない絶縁技術。絶縁性を確保する部品として、従来のメカニカルリレーに代わって台頭し始めているのが、可動接点部分のないソリッドステート・リレー(SSR)だ。20年にわたり絶縁技術に投資してきたTexas Instruments(TI)が電気自動車(EV)と産業機器向けに発表した新しいSSRは、従来のリレーから置き換えることで、システムの信頼性を向上しつつ、ソリューションサイズを最大90%削減することも可能になる。
世界的に「省エネ」への要求が高まる中、IoT(モノのインターネット)機器を含むバッテリー駆動機器にも、さらなる低消費電力化が求められている。Texas Instruments(TI)が、低静止電流技術と統合技術を駆使して開発した新しい昇降圧コンバータは、あらゆるバッテリー駆動システムに大きな省エネ効果をもたらす。
電気自動車(EV)の電源アーキテクチャでは、小型化や信頼性向上のために、各ゲートドライバに個別のバイアス電源を割り当てる分散型電源アーキテクチャへの関心が高まっている。Texas Instruments(TI)の絶縁型DC/DCバイアス電源モジュール「UCC14240-Q1」は、トランスと閉ループ制御を統合することで小型化を実現し、分散型電源アーキテクチャに活用しやすくなっている。
リアルタイム制御や産業用ネットワークのサポート、高性能処理、セキュリティなど、スマート工場や自動運転に必要とされる性能を、1チップで実現するマイコンが登場した。Texas Instrumentsは、マイコン設計のシンプルさとプロセッサレベルの処理性能を併せ持つ「Sitara AM2x」によって、マイコンの性能を“再定義”する。
今や、電子機器において不可欠となっているEMI対策。Texas Instruments(TI)は長年、EMIの低減とEMI規格適合への迅速化を実現する電源ICの開発に注力してきた。TIの最新の電源ICに搭載された、低EMI化に向けた2つのアプローチを探る。
テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments/以下、TI)は、豊富な品ぞろえを誇る半導体製品群を確実に届け、自然災害など不測の事態が発生した場合にも半導体製品を継続して迅速に供給できるよう、さまざまな取り組みを進めている。その一環として、2021年2月にはオンライン購入サイトを刷新。高信頼性製品、最新製品をどこよりも安く、早く、簡単、確実に手に入れることができるようになった。
電気自動車やハイブリッド自動車で注目度が高まっているワイヤレスBMS(Battery Management System)。Texas Instruments(TI)は、同社が強みとする高精度な電源制御技術とワイヤレスマイコンを組み合わせた、最新のワイヤレスBMSソリューションを発表した。TÜV SÜDの安全性評価に準拠した、ASIL-Dのシステムを「業界として初めて」(TI)実現した。
10年間、GaNパワーデバイスの研究開発に投資し、性能と信頼性を向上してきたTexas Instruments(TI)。同社が開発した新しい650Vおよび600VのGaN FETは、Siliconドライバや保護回路を統合することで、電力密度をさらに高めた製品となっている。
電源において、常に最も重要な課題の一つとなっているのが電力密度だ。電力密度の向上は、電源サイズの縮小、部品点数の減少、システムコストの削減など、多くのメリットに直結している。Texas Insrtuments(TI)は、4つの主要分野において、電力密度の向上におけるイノベーションをけん引している。
IoTとAIの時代が到来し、さまざまな機器で膨大な量のデータが処理され、グローバルなレベルでデータが行き交うことから、増加する電力需要に応えられる拡張機能を備えたパワーエレクトロニクス製品が求められている。Texas Instruments(TI)は、こうした要件を満たす、高い電力密度や変換効率を実現した最新のGaN製品や降圧型DC/DCコンバータを展開している。
サンケン電気は、20A出力対応高圧3相モータードライバー「SIM2-202B」の量産開始を発表した。コンパクトながら放熱性能に優れ、高精度のサーマルシャットダウン機能や温度モニター機能などを備える。
サンケン電気は、臨界モードPFC内蔵LLC電流共振電源用コントロールIC「SSC4S911」の量産を開始する。SSOP24パッケージに臨界モードのPFC制御とLLCタイプの電流共振制御を内蔵している。
日清紡マイクロデバイスは、産業機器向け汎用低消費電力の電圧周波数コンバーター「NA2100」を発売した。シンプルな回路構成で12ビット以上の変換精度を提供する。
新電元工業は、民生および産業機器向けSiC(炭化ケイ素)パワーモジュール「MG074」のサンプル出荷を開始した。配線長が等しくなるよう内部構造を左右対称のレイアウトとし、電流経路で発生するサージ電圧の差を最小限に抑えた。
ビシェイ・インターテクノロジーは、同社第3世代品となる1200VのSiC(炭化ケイ素)ショットキーダイオード16種を発表した。埋め込み型のMPS構造を採用し、定格電流5〜40Aを用意する。
STマイクロエレクトロニクスは、車載向け4チャネルのハイサイドスイッチ「VNF9Q20F」を発表した。独自のデジタル出力電流センス機能とSTi2Fuse技術を集積した。
マイクロチップ・テクノロジーは、車載充電モジュール向けのソリューションを発表した。デジタルシグナルコントローラー「dsPIC33C」、絶縁型SiC(炭化ケイ素)ゲートドライバ「MCP14C1」、D2PAK-7L XLパッケージを採用した「mSiC MOSFET」が含まれる。
日清紡マイクロデバイスは、1セルリチウムイオン電池向け温度保護機能付きハイサイド保護IC「NB7120」シリーズを発売する。過充電検出精度および充放電過電流検出精度を高めた。
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は、サージ保護用ツェナーダイオードシリーズ(5種)に、各10種のツェナー電圧ランクを追加した。マイクロ秒からミリ秒オーダーの長いパルス幅のサージから保護する。
マイクロチップ・テクノロジーは、宇宙グレードの耐放射線絶縁型50W DC-DCパワーコンバーター「LE50-28」ファミリーを発表した。シングル出力、トリプル出力を備える3.3〜28Vまでの9種を提供する。
STマイクロエレクトロニクスは、車載および産業向け低ドロップアウト(LDO)レギュレーター「LDH40」「LDQ40」を発表した。3.3〜40Vの広い入力電圧に対応し、低静止電流を特徴としている。
ビシェイ・インターテクノロジーは、「FRED Pt 500 A Ultrafastソフトリカバリーダイオード」モジュールの「VS-VSUD505CW60」「VS-VSUD510CW60」を発表した。前世代品よりも信頼性、耐久性が向上している。
インフィニオン テクノロジーズは、200V耐圧のMOSFET「OptiMOS 6」ファミリーを発表した。同社前世代品と比較してオン抵抗が42%、逆回復電荷量が最大89%低減し、ソフトリカバリー特性が向上している。
テキサス・インスツルメンツ(TI)は、電力効率を高めた「100V窒化ガリウム(GaN)パワーステージ」と、高い電力密度を達成した「1.5W絶縁型DC-DCモジュール」の2種類の電力変換デバイス製品を発表した。
ビシェイ・インターテクノロジーは、30Vの「NチャンネルTrenchFET Gen VパワーMOSFET」の製品として「SiSD5300DN」を発表した。ソースフリップ技術を用いた3.3×3.3mmサイズのPowerPAK1212-Fパッケージで提供する。
ロームは、プライマリーLDOレギュレーターの新製品「BD7xxL05G-C」シリーズを発表した。2.9×2.8mmと小型ながら耐圧が最高45V、消費電流が6μAとなっており、常時駆動を要する冗長電源の構築に適する。
今回からステップアップ形DC/DCコンバーターについて説明していきます。まずは、ステップアップコンバーターの基本回路と動作原理について解説します。
今回はDC/DCコンバーターを設計する上で欠かせない「過電流保護回路」について説明します。
今回はいままで前提にしてきたチョークの電流連続性が途切れた場合のコンバーターの振る舞いについて図式を基に検討します。
今回から電源設計の超初心者向けにDC/DCコンバーターの設計を説明していきます。この連載で主として使用する式はインダクタンスに関する式および、キャパシタンスに関する2つの式だけです。2つの式から導かれるインダクタンスとキャパシタンスの電気的性質を使って入門書などに記載されている基本的なコンバーターの設計をどこまで説明できるかを考えていきます。
パワーエレクトロニクス市場での存在感を高めているGaNデバイスだが、少し前まで、極めて不完全な結晶だからという理由で、半導体としては使い物にならないと見なされていた。科学者とエンジニアたちはどのようにしてその壁を乗り越えたのか。本稿ではGaNテクノロジーの起源を紹介する。
DC-DCコンバーターをより深く理解するために、DC-DC回路とトポロジーについて解説する本連載。DC-DCコンバーターを使いこなすための実用的ヒントを要所要所にちりばめました。まずは、電力安定化について、トポロジーごとに解説していきます。
今回は、“電源修理のコツ”を紹介したい。電源は「電解コンデンサーを全て交換すれば、修理できる」という極端な話もあるが、効率よく確実に電源を修理するためのポイントを実例を挙げながら説明していこう。【訂正あり】
電源設計に求められる要件は、多くなっています。高効率/高電力密度、迅速な市場投入、規格への対応、コストダウンなどを考慮せざるを得ず、電源設計におけるテスト要件も複雑化しています。そこで、本連載では、3回にわたって、複雑な電源設計プロセスの概要と、プロセスごとのテスト要件について説明していきます。
デジタルマルチメーターの基礎的な使い方について解説する本連載。今回は直流/交流の電流測定および周波数測定と仕様の見方について説明する。
スイッチング電源が普及してしばらくがたつ。PFC回路の搭載など進化してきた一方で、弱点を抱えているのも事実で、焼損の可能性を持つスイッチング電源は少なくない。スイッチング電源、PFC電源の弱点をいま一度見つめ、安全性を高める方法を考えてみたい。
今回は、正電圧出力に比べてそれほど一般的ではない負電圧出力(または反転)DC-DCコンバーターソリューションの基本を解説します。
今回は電源投入の約5秒後にブレーカーから火花が出て電源が落ちる高圧電源の修理の続きだ。
SiCパワーMOSFETを採用した電源回路の回路シミュレーションを実行する際は、設計したプリント基板の配線レイアウトを解析し、その寄生インダクタンスや寄生キャパシタンスを分布定数として高精度で抽出する必要がある。
SiCパワーMOSFETのデバイスモデルの精度向上には、「大電流/高電圧領域のId-Vd特性」および「オン抵抗の温度依存性」を考慮しデバイスモデルに反映させることも重要となる。今回はこの2点に関する解説を行う。
ロームは、電源ICの負荷応答特性を向上させる新たな電源技術「QuiCur(クイッカー)」を確立したと発表した。電源回路の設計工数を大幅に削減することが可能になる。
スイッチング動作が極めて高速なSiCパワーMOSFETを用いた電源回路設計では、回路シミュレーションの必要性に迫られることになるが、従来のモデリング手法を用いたデバイスモデルでは精度面で課題があった。本連載では、この課題解決に向けた技術や手法について紹介する。
電磁気学入門講座。今回は「相互インダクタンス損失」と「渦電流損失」について説明していきます。
取引先から紹介された会社からモータードライバーの修理を依頼された。不具合の症状は『高速回転は問題なく動作するが、低速回転で逆回転する。低速の正常回転数 0.66に対し現在は0.05』と非常に具体的だった。この症状からするとモーターのトルクが足りてないようだ。依頼者は現場で活躍している人なので、何とか依頼に応えたいと思い修理を引き受けた。
今回は、コアの飽和を制御する方法として、コアにエアギャップを設ける「エアギャップインダクター」や、標準的な「コア形状」について解説します。
ユーザー・プログラマブルPMICならば、同じPMICを複数のプロジェクトで再利用できるため、迅速にプロトタイプ作成が進み、開発期間を短縮できます。
高周波数のスイッチングでも、フライバックトポロジを最適化して効率をはるかに高められる新しい方法があります。この記事では、ゼロ電圧スイッチング(ZVS)が可能なアクティブクランプフライバックトポロジで電力密度を高められる仕組みを説明し、さらなる効率向上のためにトポロジを最適化する2通りの方法を紹介しようと思います。その1つはスイッチノード容量の削減、もう1つは2次共振回路の利用です。
マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。56回目は、初級者の方からよく質問される「マイコンの電源の逆電圧が端子に印加されたら何が起こる?」についてです。
年々注目度が増すワイドバンドギャップ(WBG)半導体。その中で、現在最もシェアが高いのはSiC(炭化ケイ素)だ。SiCスイッチの特性と、同素子を使う際の設計上の注意点を説明する。