JESD204Bは、通信機器、医療機器、計測/テスト機器などの分野で需要が増加している高速A/Dコンバータ、D/Aコンバータを、FPGA、DSP、ASICなどの高速ロジック・デバイスに接続するためのシリアル・インターフェイス規格である。米国の標準化団体であるJEDECが策定した。
A/Dコンバータ、D/Aコンバータのデジタル・インターフェイスには、低速用途ではSPI、I2Cやメーカ独自のシリアル・インターフェイスが普及していたが、高速用途ではCMOS、LVDSなどのパラレル・インターフェイスが用いられていた。だが、パラレルでは信号線の本数が多いためボード上の実装面積が大きく、高速になるほどレイアウトも困難になる。そこで、JEDECでは高速データ・コンバータ向けのシリアル・インターフェイス規格の標準化を進め、2006年にJESD204規格を発表した。その後、2008年にJESD204A、2011年にJESD204Bと改訂版が登場している。
規格 | 発表 | 最大信号レート | マルチレーン | レーン間同期 |
---|---|---|---|---|
JESD204 | 2006年 | 3.125Gbps/レーン | なし | なし |
JESD204A | 2008年 | 3.125Gbps/レーン | あり | あり |
JESD204B | 2011年 | 12.5Gbps/レーン | あり | あり |
表1 JESD204、JESD204A、JESD204Bの比較
最新版のJESD204Bでは、1レーンあたり312.5Mbpsから12.5Gbpsまでの信号レートがサポートされ、レーンを束ねることにより信号レートをさらに高速化できる。また、コンバータ同期のためのフレーム・クロックに加えて、より柔軟なデバイス・クロックが規定された。サンプリングからデジタル・データ出力までの遅延時間を制御するdeterministic delayの機能も追加され、複数のコンバータのタイミング管理がきわめて容易になった(図1)。
JESD204を用いればボード上の配線を大幅に削減できることから、高速データ・コンバータやFPGAのメーカを中心に普及が進んでいる。旧バージョンのJESD204、JESD204Aも、配線の削減による低コスト製品で広く利用されている。一方、最新のJESD204Bに対応する高性能製品も登場している。
例えば、テキサス・インスツルメンツ(TI)社のADS42JB69は、最大3.125Gbpsで4レーンの伝送が可能なJESD204B対応のシリアルA/Dコンバータである。2チャネル16ビット同時サンプリングで250Mspsという超高速を実現している。
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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日
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