分解能とは、ADコンバータやDAコンバータなどにおいて、測定対象となる信号(電圧)をどの程度細かく検出できるかを示す能力のこと。ADコンバータやDAコンバータにとっては、最大サンプリング速度などと並んで重要なパラメータである。通常、分解能を表現する単位としてはビット(bit)を用いる。ビット数が大きければ大きいほど、細かな信号(電圧)を検出できる。つまり、ビット数が大きなADコンバータやDAコンバータほど、高性能であると言えるわけだ。
現在、入手できるADコンバータやDAコンバータで最もビット数が大きいのは32ビットである。産業用途で一般的な24ビットを例にとって考えてみる。このときの分解能は、最大の入力電圧範囲を24ビットで分割した値になる。分割数は224=1677万7216。つまり、最大の入力電圧範囲が1Vだった場合、約60nVまで判別できることになる。極めて小さな電圧変化まで捕捉できるわけだ。
一方、分解能が8ビットのADコンバータやDAコンバータの場合、分割数は28=256となる。従って、最大の入力電圧範囲が1Vであれば、判別可能なのは約4mVである。24ビット分解能の約60nVと比べると、かなり大きな電圧変化しか判別できないことが分かるだろう。
もっとも、分解能と最大サンプリング速度はトレードオフの関係にある。分解能の高い製品は、最大サンプリング速度が低い傾向があり、分解能の低い製品は、最大サンプリング速度が高い傾向にある。従って、適用するアプリケーションの特性に合った分解能や最大サンプリング速度を備えるADコンバータやD/Aコンバータを選択する必要がある。
ここで24ビット分解能を備えるADコンバータの実例を紹介しよう。テキサス・インスツルメンツ(TI)の「ADS1675」である。ΔΣ(デルタ・シグマ)方式を採用したADコンバータで、24ビット分解能ながらも最大4Mサンプル/秒と高いサンプリング速度で動作することが特長だ。AC(交流)特性もDC(直流)特性も優れている。ダイナミック・レンジは103dB(4Mサンプル/秒動作時)で、全高調波歪み(THD)は−107dB。積分非直線性誤差(INL)は3ppmで、オフセット電圧の温度ドリフトは4μV/℃である。自動テスト装置や医療用画像処理装置、科学用測定機器などに向ける。
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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日
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