メディア

ノイズ・フロア(Noise Floor)これだけは知っておきたいアナログ用語

» 2014年02月13日 00時00分 公開
[PR/EDN Japan]
PR

photo

ノイズ・フロア(Noise Floor)

 ノイズ・フロア(Noise Floor)とは、電子回路において、それ自身が発生するノイズ(雑音)のレベルのこと。例えば、スペクトラム・アナライザでは、RF(アナログ)信号を入力していなくても、何らかのノイズが出力される。ディスプレイ画面の下の方に表示される、時間とともにレベルが変化するギザギザとした波形をご覧になった方も少なくないだろう。これがノイズ・フロアである。

回路性能を左右する重要な特性

 このノイズ・フロアのレベルが高いと、さまざまな電子回路において問題を引き起こすことになる。代表的な問題を2つ挙げよう。1つは、入力信号が埋もれてしまうことである。入力信号が微弱だと、そのレベルがノイズ・フロアを下回ってしまうからだ。これでは、入力信号を検出できなくなってしまう。

 もう1つの問題はダイナミック・レンジが狭くなってしまうことだ。一般にダイナミック・レンジは、ノイズ・フロアのレベルと、最大の信号レベルの差で求まる。ノイズ・フロアのレベルが高いと、この差が小さくなる。従って、ダイナミック・レンジが狭くなるわけだ。RF回路やADコンバータ回路、クロック回路などの性能への影響を引き起こすことになる。

図1 ノイズ・フロアが低いアナログ・フロント・エンド(AFE)の内部ブロック図
2個のDAコンバータや周波数可変ベースバンド・フィルタ、直交(IQ)変調器、デジタル直交変調補正回路などを集積した。DAコンバータの分解能は14ビットで、最大サンプリング速度は65Mサンプル/秒である。

 従って、こうした回路ではノイズ・フロアのレベルを可能な限り低く抑えることが必要になる。このため、半導体メーカーやモジュール・メーカーなどでは、ノイズ・フロアを低減する開発を進めている。

 実例を紹介しよう。テキサス・インスツルメンツ(TI)のアナログ・フロント・エンド(AFE)「AFE7070/AFE7071」である。無線通信機器やテスト/計測器などに搭載する無線(RF)送信回路(トランスミッタ)に向けたものだ。2個のDAコンバータや周波数可変ベースバンド・フィルタ、直交(IQ)変調器、デジタル直交変調補正回路などを1チップに集積した(図1)。RF出力は最大0.3dBで、周波数範囲は100M〜2700MHzである。このチップの特長の1つは、RF出力のノイズ・フロアが−142.7dBm/Hzと極めて低いことである。このため「高い信号品質が実現できた」(同社)という。



Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日

設計に役立つヒント集

宮崎 仁のQ&Aでよく分かるマイコン基礎の基礎:
第24回 割り込みっていろいろあるのですか?どんな種類があるか教えてください。

今回は、外部割り込み、内部割り込み、ソフトウェア割り込みについて詳しく解説しています
全文を読む


電源IC選択のヒント集
電源IC 使用時の注意点をわかりやすく説明しているほか、使用時に発生する可能性のあるさまざまなトラブルとその対処法についても紹介しています。ぜひご利用ください。ダウンロードには myTI アカウントが必要です。
Part 1をダウンロード
Part 2をダウンロード


アナログ回路設計式一覧ポケット・ガイド
日本語版 PDF

英語版で高い評価を受けてきたポケット・ガイドの日本語版が完成しました。基板レベルやシステム・レベルの回路設計でよく使われるアナログ設計式を紹介しています。ダウンロードには myTI アカウントが必要です。
ダウンロード



facebook & twitter

製品情報、セミナーや展示会などのイベント情報をお知らせしています。

RSSフィード

公式SNS

EDN 海外ネットワーク

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.