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AM変調これだけは知っておきたいアナログ用語

» 2014年11月26日 00時00分 公開
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AM変調

図1 AM変調の原理
入力アナログ信号を、搬送波の振幅方向の強弱を利用して伝送する方式である。入力アナログ信号と搬送波を掛け合わせたものがAM変調波となる。なお、この波形は搬送波抑圧AM変調の場合である

 AM変調とは、送信したい情報(入力アナログ信号)を、搬送波の振幅方向の強弱を利用して伝送する方式のこと(図1)。AMとは「Amplitude Modulation」の頭文字をとった言葉で、日本語では振幅変調と呼ばれる。

 AM変調は、最も基本的な変調方式と言えるだろう。このため、多くの用途で採用されている。代表的なのは、AMラジオ放送やVHF/UHF航空無線、アマチュア無線、短波業務無線などだ。さらに、現在はサービスが停止したが、地上波アナログ・テレビ放送(映像信号)もAM変調を採用していた。

 AM変調のメリットは、送信機や受信機の回路構成がシンプルな点にある。このため、小型化や低コスト化が比較的容易だ。その一方でデメリットもある。ノイズに弱く、高い音質が得にくいことである。ただし、ある程度ノイズが載ってしまっても、情報の内容を聞き分けられる。これはメリットと言ってもよいだろう。

帯域幅を節約

 AM変調には、いくつか種類がある。例えば、残留側波帯AM変調(VSB-AM:Vestigial Sideband AM)という方式がある。これは、前述の地上波アナログ・テレビ放送(映像信号)で使われていた方式だ。送信時に使用する帯域幅を狭くするために、送信信号のスペクトラム成分のうち、下側波帯の一部を取り除いて伝送する。こうすることで、送信機と受信機の回路構成は若干複雑になるが、帯域幅を狭くできる。

 さらにアマチュア無線や短波業務無線などでは、上側波帯(USB:Upper Sideband)もしくは下側波帯(LSB:Lower Sideband)に加えて、搬送波をカットする抑圧搬送波単側波帯(SSB:Single Sideband)という方式を採用している。この方式も送信機と受信機の回路構成が複雑になるというデメリットがあるものの、少ない電力で長距離の通信が可能になるという大きなメリットがある。

 このほかAM変調の種類としては、抑圧搬送波両側波帯(DSB:Double Sideband AM)方式や、全搬送波両側波帯(DSB-WC:Double Sideband With Carrier)方式などがある。一般にAM変調と呼ばれるのは、DSB-WC方式のことである。

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提供:日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2015年3月31日

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