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最新シリコン技術とソフト制御で目覚ましい進化を遂げるDC-DCコンバーター高性能、低消費電力、そしてスマートに

DC-DCコンバーターは、最新のシリコン技術とソフトウェア制御技術の組み合わせで進化を続ける。インテル プログラマブル・ソリューションズ事業本部(日本アルテラ株式会社)は、FPGAなどの負荷デバイスなどに対して、電力最適化機能を適用することによって最大の効率を維持し、省電力化を実現するための電源ソリューションを提案する。

» 2017年06月29日 10時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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デバイスの高性能化と低消費電力化の両立を可能に

 講演では、インダクターを統合したDC-DCコンバーター「インテル® Enpirion® 電源ソリューション」について、製品開発のロードマップが示された。次世代のインテル® Enpirion® 電源ソリューションは、DC-DC変換のための先端シリコン技術とソフトウェア・ベースIPによる電圧制御技術を統合する。これにより、FPGAやSoCにおいて、高性能化と低消費電力化の両立が可能となる。

EDN Japan主催電源設計セミナーで講演したAshraf Lotfi氏

 インテルのプログラマブル・ソリューションズ事業本部で、インテルフェロー兼インテル® Enpirion® 電源製品ビジネス担当CTOを務めるAshraf Lotfi氏は、EDN Japan主催のセミナーイベント「スマートな電源設計 セミナー」で、「ソフトウェア−ハードウェアの協調設計による先進の電圧レギュレーター」について講演した。

 インテルの共同創業者であるGordon Moore氏は、「集積回路の実装密度は18カ月ごとに2倍になる」という「ムーアの法則」を1965年に提唱した。メモリーやプロセッサーなどの集積回路は、この法則に沿って進化を続けてきた。インテルが半導体業界で首位のポジションを獲得しているのも、この法則に従って技術開発の先頭を走ってきたからである。

 インテルは今後、POL(Point of Load)DC-DCコンバーターにもムーアの法則を適用し、基本性能の向上とコスト削減を目指す方針を示した。その上で、電圧のループ制御や故障管理、アルゴリズムなどの機能をソフトウェアIPとして用意し、ターゲットFPGAの一部に実装する仕組みを提案する。これにより、デバイスの負荷状態に応じて、より最適な電力を供給することが可能となる。モニタリングしたデータを解析し、故障などを予知、予測することもできるという。

ソフトウェアIPを適用した将来のDC-DCコンバーターの応用例

 「電圧制御の機能をソフトウェアIPで定義することによって、DC-DCコンバーターの価値を最大化していく。ハードウェアとソフトウェアを組み合わせてDC-DCコンバーターを設計していくことは、今後の方向性として重要である」(Lotfi氏)と強調する。

 インテルは、電力変換デバイスの設計、製造においても、先端テクノロジー・ノードを採用していく。これにより、パワーデバイスの領域においても技術革新をリードしていく考えだ。具体的には、パワー・トランジスターの性能向上と高い集積度を実現していくために、32/28/22nmのFinFET技術を採用していく方針である。

 Lotfi氏によれば、「32/28/22nmのFinFET技術をパワーステージ(電力段)の素子に適用すると、DC-DCコンバーターの効率や安定性を保ちつつ、これまで数MHzだったスイッチング周波数を、20MHz〜80MHzまで引き上げることができる。ダイサイズも最大で半分に縮小でき、ターゲットチップへの統合が容易になる。実験では、出力が0.9V/10Aの降圧コンバーターにおいて、スイッチング周波数が10MHzで、電力効率は94%(代表値)を実現した」という。

MAXPOWERアルゴリズムとFPGAのDVFS

 次世代のインテル® Enpirion® 電源ソリューションは、ターゲットデバイスの最適化、消費電力低減に向けて、「MAXPOWERアルゴリズム」や「FPGAの動的電圧周波数スケーリング(DVFS:Dynamic Voltage and Frequency Scaling)」技術を開発中である。

 MAXPOWERアルゴリズムを用いると、FPGAなどのデバイスが高温環境で動作する場合でも、素子のジャンクション温度を考慮して、入力する電力を最適に制御することができる。効率は温度と電流に依存するが、MAXPOWERでは負荷の状況に応じてマルチフェーズ出力段の各フェーズを使い分ける。具体的には各フェーズに異なる特性をあらかじめ定義させておき、動作状態に基づきその分割比を計算し、最適な比率で電力を出力するという。

MAXPOWERアルゴリズムを用いて最高温度での損失を削減するイメージ図

 例えば、FPGAの動作環境が100℃と高温であれば、高温時に効率が最も高いフェーズの割合を増やす。FPGAの温度上昇を抑えることで、制限がある動作温度に対するマージンを広げ、FPGAは安定した動作を続けることができるという。「このアルゴリズムは、ハードウェアで実現することは困難で、ソフトウェアIPだから可能となった」(Lotfi氏)と主張する。

時間的に変化するFPGAの消費電力とMAXPOWERの効果

 「Cyclone® IV FPGA」による温度上昇と電力割り当てのシミュレーション結果も紹介した。Cyclone® IV FPGAの負荷電流を20Aに固定し、周囲温度を20〜100℃にシフトさせる条件において、温度上昇に伴い、MAXPOWERがフェーズ1とフェーズ2の電力割り当て比率を計算し、最大効率を維持できるようDC-DCコンバーターの出力を調整する。このような制御を行うことで、FPGAの電力損失を抑え安定した動作を可能にする。

Cyclone® IV FPGAによる温度上昇と電力割り当てのシミュレーション結果

 Lotfi氏は、FPGAのDVFS機能についても触れた。FPGAのクロック周波数や処理負荷状態に応じて、供給電圧をダイナミックに変更する手法である。FPGAは、システムを起動する時、2段階でコンフィグレーションする。まず電源投入時に回路情報をフラッシュメモリーから取り込み、続いてDVFS用のIPブロックを書き込む。このIPブロックが、演算の負荷や周囲温度などの状態を監視する。DVFS用IPブロックは、クリティカル・パスを特定し、必要に応じてDC-DCコンバーターの出力を適切に制御するという。

FPGAにおけるDVFS機能ブロックのイメージ図

 「FPGAは事前にデバイスの動作環境を予測することは難しい。消費電力を削減するためには、クリティカル・パスを特定し、それがどのようになっているかを正しく分析し、対策をとる必要がある。しかし、そのためにはシステムが複雑となり、DC-DCコンバーターだけで対応することはできない」(Lotfi氏)と話す。その上で、「DC-DCコンバーターとFPGAに組み込まれたアルゴリズムを実行するソフトウェアIPが同時に動作することで、この課題を解決する」と続けた。

 ムーアの法則に沿って進化するDC-DCコンバーター技術と、ソフトウェアIPによる電圧制御技術の進化。この2つを組み合わせることで、電力消費のさらなる削減に向けて電源製品は技術革新を続けていく。

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提供:日本アルテラ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2017年7月28日

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