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豊富な製品群を生かした革新的ソリューションに焦点、供給難でも成長を加速するMicrochipMicrochip Technology社長兼CEO Ganesh Moorthy氏

5GやIoT、EV、AIなど「6つのメガトレンド」にフォーカスして事業展開を進めるMicrochip Technology。2021年は供給において大きな困難があったものの、高い需要に応えるため生産量を拡大し、記録的な成長を遂げた。今回、Microchip Technologyの社長兼CEO(最高経営責任者)を務めるGanesh Moorthy氏が、大きな分岐点にある半導体業界の展望と同社の成長戦略を語った。

» 2022年02月08日 10時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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堅調な年も、供給難は続く

――2021年の業績はいかがでしたか。また、半導体業界全体について振り返ってください。

Ganesh Moorthy氏 2021年は業界にとって堅調な年で、当社にとっては記録的な年となった。供給においては多大な困難があったものの、当社は高い需要に応えるべく生産量を増加した。2021年第4四半期(10〜12月)の出荷高は前年同期比で29.4%増となる見込みだ。だが需要の伸びはさらに加速しており、2022年も供給面での困難は続くと予想される。

――2022年の事業戦略と展望をお聞かせください。成長を推進するための主要な戦略は何でしょうか。

Moorthy氏 2022年も堅調な成長の年になると期待している。ただし、当社が需要を満たすべく供給量を増やしても、前述した通り、2022年の大半にわたって供給が困難な状況は続くと考えている。

 Microchipの短期的な成長戦略は、生産能力の増強だ。中長期的には、当社の幅広い製品ポートフォリオを活用し、トータルシステムソリューションの提供に力を入れていく。当社が携わってきたあらゆる設計においてさらに多くの製品を提供し、成長をさらに加速させるため市場のメガトレンドに注力する。当社にとってのメガトレンドとは5G(第5世代移動通信)インフラストラクチャ、IoT(モノのインターネット)/エッジコンピューティング、データセンター、EV(電気自動車)、ADAS(先進運転支援システム)、AI(人工知能)/ML(機械学習)だ。

――半導体業界は大きな分岐点にあると思われます。もともと堅調であり需要が急速に増加していたところに、パンデミックが引き起こした新たな需要の急増が重なりました。こうした中、Microchipにとって、どのような市場課題と市場機会が生じていますか。

Moorthy氏 当社の目下の課題は、顧客からの注文という形で既に見えている需要に応えるため、生産能力を手堅く増強する事だ。新たな市場機会については、幅広い製品ポートフォリオを活用したトータルシステムソリューションを提供することで、先に述べた6つのメガトレンドの波に乗るべく、好位置につけたいと考えている。

深刻な半導体不足

――半導体業界における現在の需要と供給の不均衡は、どれほど深刻だとお考えですか。

Moorthy氏 この40年間見てきた中で、最も深刻ではないだろうか。需要と供給の不均衡がこれほど深刻化したことはなく、ここ9カ月にわたって状況は悪化の一途をたどっている。受注ペースはいまだに供給能力を大幅に上回っている。この不均衡は2022年も続き、2023年まで続く可能性もある。

――現在の世界的な半導体不足の背景にはどんな要因があるのでしょうか。

Moorthy氏 2018年後半から2019年にかけて米中間の貿易問題により関税コストが増加し、メーカーがそれを吸収できず顧客に転嫁したため、需要が減少した。さらに、パンデミックの発生により2020年第1四半期から第3四半期までは需要がさらに減少し、その回復には長期間かかると予測された。需要減と、当分需要が回復しないだろうとの見方から、多くの半導体メーカーが在庫と製造能力を大幅に削減した。2020年第4四半期の需要回復は、供給能力と在庫がまさに最低の時点で発生した。

 メーカーは2020年第4四半期に増産を始めたが、生産量をピークレベルに戻すには時間がかかるものだ。生産量の増加には5〜6カ月が必要になる。その間、供給量よりも速いペースで需要が増加したために、深刻かつ継続的な供給難が生じたのだ。

優先的に納品する「PSP」に多大な反響

――需要と供給の不均衡の問題に対処するため、Microchipは顧客およびサプライチェーンパートナーとどのように連携してきましたか。

Moorthy氏 まず、12カ月分以上でキャンセル不可の発注と引き換えに、発注後6カ月後から優先的に納品するPSP(Preferred Supply Program)を開始した。顧客からの反応は当社の予想を超えるものだった。2021年9月末までの連続2四半期にわたってPSPの受注額は全受注額の5割を超え、その全てが非常に供給困難な製品分野だった。

 PSPによる受注は常に増加しているので、当社は受注額、特にPSPの受注額に基づいて、原材料の調達、設備投資、従業員の雇用を含め自社工場の製造能力の拡大を図っている。加えて、ウエハーファウンドリー、アセンブリ/テストの委託先、原材料のサプライヤーと連携して生産量の増加に努めている。

――業界では、「半導体不足は少なくとも今後4〜6四半期は続き、打開策を考える必要がある」との見方があります。

Moorthy氏 事態の収束には、そのくらいかかると思われる。2022年の早い時期に是正されることがないのは明らかだろう。2023年内には緩和され、解消に向かうのではないかと予測している。

――Microchipの製品は子どもの玩具からトースター、自動車、医療機器、航空宇宙に至るまであらゆる所で採用されています。マイクロコントローラーにおいて主導的地位を固めつつ、研究開発と戦略的買収により補完的な製品を加える事で、製品ポートフォリオを拡張してきました。どのようなビジネス上の意思決定と外的要因によって、これほど多様な製品を持つに至ったのですか。

Moorthy氏 Microchipの目標は、スマートかつコネクテッド、そしてセキュアなテクノロジーソリューションを提供することで人々の体験をより良いものにするという革新を促すことだ。

 この目標に向けて当社は長年にわたり革新的なソリューションを開発してきた。組み込み設計を容易にするツールやソフトウェア、リファレンスデザインを低コストで提供し、設計、開発、製造のあらゆる段階で顧客をサポートしている。さらに、優れたチャネルパートナーを持つことも、中小規模の顧客にソリューションを提供するためには重要だ。

Microchipは2022年1月、宇宙グレードの電源コンバータファミリーに、28V入力の耐放射線製品を追加した

――COVID-19のパンデミックは、新変異株の感染拡大やエンデミックへの移行模索など、新たな局面を迎えています。2022年以降、Microchipはどのように対処していきますか。

Moorthy氏 今後もCOVID-19の動向を観察しながら迅速に対応していく。従業員の安全確保や、顧客に確実にソリューションを提供することを優先し、パンデミックを乗り切るべく当社ができることに取り組んでいく。

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提供:Microchip Technology
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2022年3月7日

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