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複雑化増すEV/ADASアプリケーション開発をより迅速&容易に、MicrochipのAUTOSAR対応デバイスとエコシステム高機能の新DSCファミリーを投入

電気自動車(EV)および自律運転技術の発展に伴い車載アプリケーションは複雑さを増しており、AUTOSAR対応やISO26262準拠のソリューションへの要求は高まっている。Microchip Technologyは、幅広いAUTOSAR対応デバイスおよびエコシステムによってこうした要求に応えており、直近でも高機能の新DSC(デジタルシグナルコントローラー)ファミリーを投入するなど、市場での存在感を高めている。今回、同社の車載製品グループ シニアビジネス デベロップメント マネージャ、Yan Goh氏に同社の技術的優位性や市場の展望を聞いた。

» 2022年08月15日 10時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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ISO26262準拠&AUTOSAR対応が、次世代の車載ECU開発をサポート

――「AUTOSARに対応したデバイスとエコシステム」の内容を詳しく教えてください。

Yan Goh氏 MicrochipはこれまでdsPIC33C DSC(デジタルシグナルコントローラー)ファミリーとPIC32およびSAMマイクロコントローラーファミリーでAUTOSARに対応したデバイスを提供してきました。dsPIC33C DSCを中心としたAUTOSARエコシステムにより、AUTOSAR 4.3.x準拠の各種MCALパッケージを提供しています。Microchip社のMCALはASILとASPICEに準拠して開発されています。実装を容易にするために、Vector社、KPIT社といった車載分野で定評あるサードパーティーパートナーと協力し、dsPIC33C DSC AUTOSAR対応ファミリー向けにAUTOSARのBSW(基本ソフトウェア)とOSに対してすぐに利用できるサポートを提供してきました。

 またMicrochip社独自の強みは、車載セキュリティ要件を見越して弊社のTA100(TrustAnchor100)CryptoAutomotiveデバイスとdsPIC33C DSCの組み合わせとシームレスに連携する、AUTOSAR対応のCRYPTOドライバーを提供している事です。設計に機能安全を実装できるよう、セーフティクリティカルなアプリケーションの設計と認証を簡単にする、ISO26262準拠のdsPIC33C DSCと機能安全パッケージを提供しています。

――ISO26262に準拠し、AUTOSARに対応したデバイスとエコシステムを備える事は顧客にとってどのような意味を持つのでしょうか。その利点についてお聞かせいただけますか。

Goh氏 自動車メーカーは現在、自動車の電動化、自律運転技術、ADAS(先進運転支援システム)技術の急速な採用に備えると同時にリスク低減のための機能安全、標準化、プラットフォームベースの開発をさらに重要視しているため、次世代の車載ECU(電子制御ユニット)開発にはISO26262とAUTOSARの両方が重要だと考えています。

 一般に機能安全で知られているISO26262は、あらゆる車載モジュールの開発に不可欠な要素です。ISO26262の機能安全規格の実現を目指して、目標とする安全レベル、量産に至るまでの開発プロセス全体、検証プロセスといった幅広い側面をカバーしています。一方、AUTOSARは使われるMCUまたはSoC(System on Chip)のソフトウェア実装に関連する開発上の側面をカバーしています。昨今の自動車は各種高速バスシステム上で動作する、ECUの必要数が大幅に増加しており、膨大な数の組み込みソフトウェアの実行が必要な事から、AUTOSARは特に重要です。AUTOSARは、ソフトウェア開発中に標準化、再利用性、相互運用性を確保する事で設計の複雑さをさまざまな形で軽減します。

 AUTOSARに対応し、かつISO26262に準拠したdsPIC33C DSCとエコシステムを採用する事で、自動車技術者は標準化とスケーラビリティを実現すると同時にセーフティクリティカルなアプリケーションの開発と認証取得を容易に行えます。全体のエコシステムが開発期間を短縮するのです。さらに、大容量メモリを備えたdsPIC33C DSCにより、AUTOSAR、ISO26262の機能安全とセキュリティを実装し、アプリケーションで高い集積度を実現できます。

高性能、確定的な応答、低レイテンシの割り込みを実現する新ファミリー

――dsPIC33CK1024MP7xxシリーズのハードウェアアーキテクチャに従来製品と比べて特に注目すべき点はありますか?

Goh氏 dsPIC33CK1024MP7xx DSCは、Microchip社のdsPIC33C DSCの品揃え豊富なポートフォリオの最新製品です。このdsPIC33C DSCの新ファミリーはISO26262機能安全規格に準拠して設計されており、専用のハードウェア安全機能を幅広く備えています。これまでの経験を生かし、共通化を念頭に置いてチップ設計アーキテクチャを改良し、シングルコアとデュアルコアのアーキテクチャを提供しています。

 より大容量のメモリと豊富な機能セットを提供するdsPIC33C DSCは、リアルタイムアプリケーションをターゲットとして高性能、確定的な応答、低レイテンシの割り込みを実現できるように設計されています。先ほど述べた通り、dsPIC33C DSCはセキュリティのサポートを考慮し、Microchip社のCryptoAutomotiveソリューションと連携する補完的なセキュリティ機能を提供しています。

――車載MCUは非常に競争が激しい市場です。dsPIC33C DSCファミリーが競合他社と比べて車載および電気自動車設計に適しているのは、どのような機能を備えているためですか?

 Microchip社のdsPIC33Cファミリーは車載分野でニッチな立ち位置にあります。このソリューションは特に、モーター制御、OBC(オンボードチャージャー)、BMS(バッテリー管理システム)、DC-DC ECU、アクチュエーター/センサー、ECU、ランプECU等の電気的管理を含むEVまたはADASアプリケーションをターゲットとして開発されました。

MicrochipのdsPIC33Cファミリー

 他社との主要な差別化要因としては、高効率のデジタル電源、高度なセンサーインタフェース設計に必要な先進のADC(A-Dコンバーター)、オペアンプ、高速アナログコンパレータ群によって高速アナログ要件を満たす設計となっている点があります。これらの高度な機能とMicrochip社の優れたリファレンスデザインおよびソフトウェアサポートにより、顧客はソリューションを容易に開発できます。

電動化、自動化の発展によって高まるAUTOSAR対応の重要性

――ここ数年の車載分野におけるdsPIC33Cに関するニュースをまとめると、2019年に「車載およびワイヤレス充電アプリケーション」に重点を置いた新しいデュアルコアおよびシングルコアdsPIC33C DSCを投入し、2021年にはdsPIC33C DSC向けISO26262機能安全パッケージ、そして今年の注力分野は「AUTOSAR対応」です。今年の注力分野が「AUTOSAR対応」なのは開発がより難しいからですか。それとも他に理由がありますか。

Goh氏 AUTOSARの歴史は2003年に始まり、以降進化を続けています。技術的な観点から見て開発の難易度が高いのは事実で、どのTier 1サプライヤーも試行錯誤を繰り返しながら取り組んできました。時間の経過と共に、Tier 1と自動車メーカーにおけるAUTOSARの利点は大きく採用が進む段階に達しています。

 この成長の一因は、全面的に導入された新しい車載プラットフォーム開発がより高い安全性要件と、HMI(ヒューマンマシンインタフェース)、ADAS、自律性、さらには電動化等の幅広い側面をカバーする電子機能に焦点を当てている事にもあります。このようにさらに複雑化する状況において、AUTOSARの採用はそのメリットから重要な要素の1つとなっています。

――車載分野における16ビットMCUの主なアプリケーションを教えてください。現在32ビットMCUが車載市場を席巻していますが、16ビットMCUの市場シェアが下がる可能性はないのですか。

Goh氏 Microchip社は8ビットから32ビットまでMCUの選択肢を提供しています。Microchip社から見て8ビット、16ビット、32ビットのMCUは車載分野の中でもそれぞれ独自の位置付けと、中心となるターゲットアプリケーションECUがあります。ある特定のMCUのセグメントが弱いセグメントの売り上げを減らしてしまうという関係ではなく、各MCUがそれぞれ独自の位置付けと強みを持って特定の機能に対応しているのです。

 例えば、LINインタフェースを持つシンプルなスイッチモジュールでは、8ビットMCUで全ての要件を簡単に満たせるため、32ビットのMCUを使うのはやり過ぎでしょう。確定的で高性能な結果を得るためにカスタマイズされた幅広い機能を提供するMicrochip社のdsPICファミリーに焦点を当てると、各種モーター制御(FOC[磁界方向制御]、BLDC[ブラシレスDC]/PMSM[永久磁石同期モーター])等の高速リアルタイム応答アプリケーション、OBC、BMS、DC-DCインバーター等の電動化ECU、ハンドル切換えやセンサーモジュールに関連するセーフティクリティカル設計によく適合しています。dsPIC33ファミリーは、車載アプリケーションに適合するアプリケーション固有の機能とエコシステムによってより明確に位置付けられます。

車載電子アーキテクチャが移行しても、AUTOSARの必要性は変わらない

――多くの人たちがAUTOSAR仕様は従来の自動車産業のために作られたものだと考えています。Adaptive AUTOSARが開発されたとはいえ、インテリジェンスの時代に入り分散型からドメイン集中型の車載電子アーキテクチャに移行するにつれてAUTOSAR仕様の適合性は低くなってきています。これについてどうお考えですか。

Goh氏 私たちは全く逆の展開を予想しています。車載電子アーキテクチャがゾーンベースのシステムに移行すると、接続される各ECUに追加の組み込みソフトウェアが必要になります。その結果、先に述べたようなあらゆる利点を考慮するとAUTOSARも必要です。Adaptive AUTOSARは、ADASと自律運転の機能を見据えたよりハイエンドなECUで必要とされます。両AUTOSAR規格は補完的な関係にあり、対応するニーズや状況が異なるため一緒に使われる事になります。

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提供:マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2022年9月14日

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