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800Gネットワークへの移行を加速する、テラビット級セキュアEthernet PHYファミリー112G PAM4 Serdesに対応

DX(デジタルトランスフォーメーション)による多様な通信や5G(第5世代移動通信)の普及などから近年、高速通信技術の採用が加速。グローバルなネットワークインフラストラクチャは400Gから800Gへの移行/導入が積極化している。Microchip Technology(以下、Microchip)は、この飛躍的な成長を遂げるネットワークインフラストラクチャの開発トレンドに対応すべく、最近、最大112G PAM4 SerDesレーンでの相互接続を可能にするセキュアEthernet PHYファミリーの新製品META-DX2+を市場に投入した。今回、同社の通信部門 シニア製品マーケティングマネージャ、Tao Lang氏に、市場における課題や同社の技術的優位性を聞いた。

» 2022年10月28日 10時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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1.6Tのギアボックス容量、新旧デバイスの相互接続を実現

――400Gから800Gへのアップグレードに関するグローバルなネットワークインフラストラクチャの主な開発トレンドについて教えてください。Ethernetの物理層の主な開発特性は今後どのようになっていくのでしょうか。また、市場に同時に存在することになる新旧両方のデバイスを相互接続する際にどんな課題がありますか。

Tao Lang氏 400Gから800Gへのアップグレードにより各ポートの容量は倍増します。ですが、QSFPポートのサイズと8本の電気的レーンはそのままです。重要になるのは、56G PAM4から112G PAM4信号方式への進化です。新しいスイッチングチップとルーティングチップは、最大112G PAM4のSerDesレーンでの相互接続に対応していくことになるでしょう。META-DX2+はその接続を可能にします。QSFP-DDフォームファクターの既存400G光伝送機器(400GEまたは400ZR光モジュールなど)の価格が下がっている中で、業界最大の1.6Tものギアボックス容量をもつMETA-DX2+は、既存400G光伝送機器(56G PAM4/レーン)と最大112G PAM4/レーンで動作する新しいデバイスとの接続を可能にします。

――新しいMETA-DX2+ファミリーは産業アプリケーションでどのような役割を果たしますか。

Lang氏 META-DX2+はクラウドデータセンターインターコネクト、エンタープライズ向けのスイッチングとルーティング、光伝送などのアプリケーションで重要な役割を果たします。

  • クラウドデータセンターインターコネクトにおいては、META-DX2+が備える大容量1.6Tの総帯域幅(ギアボックスモード動作時、競合他社の2倍の容量)と中央プロセッサのタスク負荷を軽減しつつ、全データリンクを保護する暗号化が貢献します。
  • エンタープライズ向けのスイッチングとルーティングでは、複数の低速ポートを集約し、全てのポートに暗号化、PTPなどの特長を提供しながら、中央プロセッサまたはスイッチの全体的な実行効率を向上するためにMETA-DX2+を活用できます。ネットワーク全体のリンクでラインレートでのエンドツーエンド暗号化が求められる中で、企業向けのIPsec暗号化の重要性はますます高まっています。
  • 光伝送システムでは、内部クロスポイントによってコヒーレント光通信技術、Gray(単一波長)光通信技術、DACケーブルを柔軟に接続し、広範囲にわたるEthernet、OTN(Optical Transport Network)、独自データレートでの接続のプログラマブルな選択肢を提供するためにMETA-DX2+を利用できます。

多様化する次世代機器のニーズに対応

――クラウドデータセンター、AI(人工知能)/ML(機械学習)コンピューティングクラスタ、5G(第5世代移動通信)およびテレコムサービスプロバイダー、企業インフラストラクチャなど、ニーズは多様化しています。これらの各種ユーザータイプではEthernet PHY製品にそれぞれどのような要件が求められますか。最新の製品ファミリーはこれらの要件を満たしていますか。

Lang氏 META-DX2+ファミリーは、クラウドインターコネクトルーター、エンタープライズEthernetスイッチ、セキュリティ機器、AI/ML計算ノード、光伝送システムなど、多種多様な機器のニーズに対応しています。META-DX2+を使った一般的なハードウェアおよびソフトウェア設計は、幅広い製品で利用できます。次世代の機器のニーズに対応するMETA-DX2+の具体的な特長には次のものがあります。

  • 1.6Tのギアボックス容量、4x400GポートPHYソリューションとして最小のフットプリントで、デバイスを2つ必要とする競合のソリューションに比べ基板面積を20%以上節約
  • MACsecとIPsecを使ったラインレート暗号化機能を内蔵し、クラウド/データセンターとエンタープライズシステムにエンドツーエンドのセキュリティを提供
  • XpandIOにより、エンタープライズプラットフォーム向けに最適化された高速Ethernetインタフェース上で低速Ethernetクライアントのポートアグリゲーションが可能
  • IEEE 1588 Class C/D PTP(高精度時間プロトコル)は、5Gバックホールと企業の業務に不可欠なサービスで必要な高精度ナノ秒タイムスタンプ生成に対応
  • 独自データレート対応と内蔵クロスポイントにより、AI/MLプロセッサ間の柔軟な接続が可能
  • ShiftIOクロスポイントとOTNレート対応により、光伝送システムで求められる柔軟な接続が可能

Ethernet分野における強みと技術的優位性は

――新しい製品ファミリーに盛り込まれた、Ethernet分野におけるMicrochipの強みと技術的優位性について教えてください。Ethernet物理層の製品群をアップグレード、改良して顧客ニーズに応える方向に力を入れているのはなぜですか。

Lang氏 META-DX2+は、1Gから400Gまでのレートに対応する弊社のMETA-DX1デバイスでの成功をベースに開発された第2世代のEthernet PHYで、1Gから800GまでのEthernetレートをサポートします。800G Ethernetレート、112G PAM4 Serdesへの対応と、MACsecおよびIPsecを含む暗号化技術が加わったことで、複数の種類のシステムで使える豊富な機能セットを備えたデバイスを提供しているのが弊社の強みです。顧客は、META-DX2+ベースのハードウェアおよびソフトウェア設計を複数の製品ラインにおいて再利用することで、開発期間を大幅に短縮できます。

META-DX2+ファミリー

――次世代のスイッチには112G SerDes、さらには224G SerDesが要求されるだろうというのが業界の共通認識ですが、このトレンドについてどのようにお考えですか。このトレンドはEthernet物理層システム設計にどのような課題をもたらしますか。

Lang氏 112G PAM4 SerDesは、多くの次世代スイッチと光伝送機器に使われています。これは、前世代の2倍のポート密度が実現されるためであり、優れたシグナルインテグリティを確保するためにリタイマー/PHYの必要性が高まっています。将来的に224G SerDesに移行するのは自然な流れですが、いまだ112Gへの移行の初期段階であるため、224Gへの移行は何年も先になるでしょう。

――コスト、消費電力、レイテンシなどに関する懸念に続き、業界ではさらに、セキュリティに重点が置かれるようになっています。Microchipでは、ハードウェアとソフトウェアの協調設計(ハードウェアソフトウェアシナジー)を通して使いやすさを確保しつつ、どのように製品のセキュリティを強化していますか。

 META-DX2+では、MACsecとIPsecを使ったラインレート暗号化をサポートしています。ポートレートが増加し続けると、暗号化はプロセッサへの大きな負荷となります。META-DX2+は、パケットプロセッサから暗号化の負荷を取り除くことで、エンドツーエンド セキュリティを確保しながらシステムの帯域幅をさらに簡単に拡張できます。META-DX2+ファミリーでは、同じ設計の暗号化バージョンと非暗号化バージョンを設計する際に、全て同じSDK(ソフトウェア開発キット)を使って共通のハードウェアフットプリントを再利用できます。

 製品のセキュリティを確保するため、システムのブートイメージとMETA-DX2+ファームウェアは、MicrochipのCEC1736などの「ルートオブトラスト」デバイスで検証されます。CEC1736は弊社Webサイトの総合推奨システムソリューションに含まれています。

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提供:マイクロチップ・テクノロジー・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2022年11月27日

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