組み込みシステムは、要求される機能を実現する上で最適なデバイスを選択する必要がある。マイコンとアナログ回路が混在する組み込みシステムにおいて、CPLD/FPGA/マイコン/PSoCそれぞれどのようなメリット、デメリットがあるかを比較してみよう。
私たちの身の回りには、数えきれないくらいたくさんの「組み込みシステム」と呼ばれる製品が溢れている。例えば家庭には、テレビ、オーディオ、電子レンジ、エアコン、LEDライト、デジタルカメラなどなど。また、オフィスをみれば、プロジェクター、電話、ルーター、IPカメラ、入退室管理システム、カードリーダーなど。数え始めたらきりがない。このような組み込み製品には、その制御にマイコンと呼ばれる制御装置が必ず使われている。また、これら製品を扱うのは人間ということで、ヒューマン インタフェース、および、自然界のさまざまな情報を取り込むためのアナログ回路を必ず持っている。このように、通常の組み込みシステムには、マイコンとアナログ回路が必ず存在する(図1)。
このように、組み込みシステムは、その性質上、大規模システムで要求される機能と大きく異なる要素を持っている。それらの項目は図2に示すように分類して確認することができる。
このような製品システムの違いを理解し、要求される機能を実現する上で最適なデバイスを選択する必要がある。
組み込みシステムの設計においては、重要な要素として、
という希望がある上に
といった性質がある。組み込みシステム設計者は、これらを満たす製品の実現において常に悩まされてきたのではないだろうか。
組み込システムを設計するには、上記の要求を何で実現するかをじっくりと検討する必要がある。そこで、現在市場で供給されているさまざまなデバイスの中から、CPLD、FPGA、マイコン、そしてPSoC®(Programmable System on Chip)を選択し、それぞれどのようなメリット、デメリットがあるかを比較してみよう。
デバイスを比較する上で必要な項目としては次の項目が挙げられる。
について比較したものを図3に示す。
図3を見て分かるように、それぞれのデバイスには得手不得手があり、設計する製品に必要とされる要素が提供されるデバイスを選択する必要がある。
組み込みシステムではとりわけ、スモール フット プリントでの設計が求められる。この要求を満たすには、当然CPUやフラッシュは内蔵できた方がよい。また、アナログ回路のセキュリティの観点からは、アナログ回路を組み込んで外から見えなくすることが製品の価値を守る上で大変重要なポイントとなる。こういった観点から判断すると、PSoCは組み込みシステムのコントローラーに最適なデバイスであるといえる。
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アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2013年7月23日