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今すぐ使えるUSB 3.0 SuperSpeed開発環境いまさら聞けないUSB 3.0の話

いよいよ普及期を迎える「USB 3.0 SS」。そこにはどんな市場が広がっているのだろうか。期待が高まる新規格だが、今すぐに使用可能なUSB 3.0 SS開発ツールは、思ったほど多くはない。ハード/ソフトウェア両面でユーザビリティに優れ、ストレスなくUSB 3.0 SSデバイスを開発できる環境とは?

» 2014年02月28日 10時00分 公開
[PR/EDN Japan]
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USB 3.0ってよく聞くようになったけど…

 「USB 3.0」というキーワードはよく耳にするようになったが、実際の市場ではUSB 3.0 SuperSpeed (以下SS) 対応デバイスをそれほど見かけない、と感じている読者は少なくないはずだ。

 実際、SSデバイスの普及率は、USB 2.0のスペックで加わったHi-Speed (以下HS) デバイスがそれまでのFull-Speed (以下FS) に取って替わって普及した速度と比べると、その差は一目瞭然である (図1)。HSデバイスが早くそして広く市場に浸透していったのには、いくつか理由がある。PCに代表されるホスト (コントローラ) システムが急速に広まったこと、Thumb Driveに代表されるUSBフラッシュ デバイスのようなキラー アプリの登場、そしてリーズナブルな価格で提供されたことだ。

 SSデバイスはどうだろう? USB 3.0のスペック(rev1.0)がリリースされてから既に5年あまりが経過した。キラーアプリと呼べるほど爆発的な市場の広がりを誘発するアプリケーションはいまだに存在していないため、USB 2.0が普及した時のような相乗効果が価格にも反映されていない。しかしこの間、Intel社やAMD社に代表されるチップセットにSSがインテグレートされ、USB 3.0ホストコントローラとしての環境は整ってきた。これを受けて、デバイス側もマスストレージクラスのデバイスを中心にPC周辺機器へ着実に採用されてきており、そのマーケットは広がりを見せている。

図1 図1: USB 2.0とUSB 3.0の市場普及率の違い

今年からいよいよUSB 3.0が大きくはばたく!?

 日頃、各種デバイスメーカーであるお客さまからのお話しを聞いていると、徐々にではあるが、USB 3.0が広く市場に普及するための土壌ができてきていると実感する。今後USB 3.0 SSがさまざまなシステムに採用され、市場に広く浸透していくことへの期待は消えない。

 しかしながら、今すぐに使用可能なUSB 3.0 SS開発ツールが思ったほど多くはないことに驚く。そんな中、「Making USB Universal®」を1996年来モットーとしてきたCypress社からは、ハードウェア、ソフトウェアの両面でユーザビリティに優れ、ストレスなく開発できる環境 (EZ-USB™FX3環境: 図2、図3) が提供されている。

 このような開発環境やデバイスを活用して実現したアプリケーションの中には、今後USB 3.0 SSの普及をけん引するだろうと期待されるものもある。次にその例をご紹介しよう。

図2 図2: Cypress EZ-USB™FX3 DVK (評価キット)
図3 図3: Cypress EZ-USB™FX3評価ボード

ビデオデータの要求はますます高速・高品質へ!

図4 図4: マシンビジョンカメラ (IDS Imaging社)

 マスストレージ クラスのデバイスの次にUSB 3.0 SSの仕様に「ドンピシャ」で合致するアプリといえば、ビデオクラスのデバイスだろう。

 特に産業用途の (いわゆるマシンビジョンと呼ばれている) カメラでは、高速かつ高品質 (フルHD) のビデオデータを非圧縮で転送することが強く求められている。そのため、AIA (Automated Imaging Association) が中心となって、USB 3.0の標準規格を基に「USB3 Vision」というカメラモジュールとのインタフェース仕様も規格化されている。

 USB3 Visionは、バンド幅やリアルタイム性、そして開発リソースなどを総合的に判断すると、これまでのFireWire、Camera LinkあるいはGigEに比べて優位にあり、今後市場に広まっていくことが期待される。

3Dモーションセンシングでコンシューマ市場にも!?

 2つのカメラを使って距離を測定したり、手や指の動きを認識したりする技術は、ステレオカメラを利用した技術としてよく知られている。最近では、Microsoft社のXbox 360 Kinectや、Leap Motion社からリリースされたLeap Motion Controller(図5、図6) などが挙げられる。このような3Dモーションセンシングカメラを使ったHuman Interface Device (HID) は、より高精度にリアルタイムな動きを要求するアプリケーションが多い。

図6 図5: Leap Motion Controller
図6 図6: Leap Motion ControllerのUSB 3.0 SSコネクタ部

 表1は、3Dモーションセンシングカメラに求められる仕様について記したものである。ここから分かるように、2つのカメラからキャプチャされるデータを高解像度または高速なスループットで、あるいはその両方を満足して、PCや携帯端末のようなホスト システムへ送る必要があるのである。

アプリケーション 画素数 (pixel) 解像度(megapixel) 転送速度(fps) 色諧調 バンド幅(Gbps)
ビデオ 1920×1080 2.07 30 24 bits (RGB) 3.0
ゲーム 1280×720 0.92 120 8 bits (B&W) 1.8
モーションセンサー 640×480 0.31 60 8 bits (B&W) 0.3
表1:3Dモーション センシング カメラ アプリに求められる仕様

 図7は、前述のFX3の評価ボードにデュアルカメラを装着したものであるが、こうした3Dモーション センシング カメラ キットのハードウェアをこれほど簡単に入手することができる。

 3Dモーション センシング カメラを使った入力方法は、次世代の非接触ディスプレイ操作用HIDとして、PCにも装備する動きが始まっている (図8)。こうした動きは、当然のことながら、携帯用端末やモバイル デバイスへもシフトしていくだろう。

図7 図7: FX3の開発キット(DVK)を使った3Dイメジーング カメラ システム
図8 図8: 世界で初めてノートPCにインテグレートされたLeap Motion Controller
HP Envy 17 Leap Motion Special Edition (2013年10月16日リリース)

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提供:日本サイプレス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:EDN Japan 編集部/掲載内容有効期限:2014年3月31日

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