マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「I2C回路の失敗例。配線長を伸ばしすぎるとどうなる?」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
I2C回路は、センサーICなどに採用されることが多く、配線を伸ばしたい時があります。しかし、I2Cの配線長を伸ばしすぎると通信に失敗することがあります。どの程度の配線長までであれば正常に通信できるのでしょうか? なぜ、配線長を伸ばすと送受信データが化けるのでしょうか?
I2Cの配線長は、配線の方法や通信速度にもよりますが、目安として5m程度が限度といわれています。
配線長を伸ばした際に送受信データが化ける理由として、以下4つが挙げられます。
(1)ケーブルの静電量が増えたため、プルアップ抵抗のドライブ能力が足らず、波形が崩れている
(2)配線のインピーダンス不整合による反射で、SCL、SDA信号の波形が崩れている
(3)クロストークにより、SCL、SDA信号の波形が崩れている
(4)外来ノイズの影響により波形が崩れている
(1)〜(4)はいずれも、配線長が長いほど発生する可能性が高くなります。
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