合計誤差0.7％のコアレス磁気電流センサー、インフィニオン：WBG半導体にも対応

インフィニオン テクノロジーズは、コアレス磁気電流センサー「TLE4971」「TLI4971」を発表した。DSO-16パッケージを採用し、温度範囲と製品寿命全体にわたる合計誤差を0.7％に抑えている。

[EDN Japan]

「TLE4971」「TLI4971」 出所：インフィニオン テクノロジーズ

　インフィニオン テクノロジーズは2025年10月（現地時間）、コアレス磁気電流センサー「TLE4971」「TLI4971」を発表した。既に提供を開始していて、定格電流が16、20、30、35、40、50Aの6種類を用意する。

　磁気電流センサー「XENSIV」ファミリーの新製品で、DSO-16パッケージを採用。温度範囲と製品寿命全体にわたる合計誤差を0.7％に抑えた。

　DSO-16パッケージは、基本絶縁と強化絶縁の双方に対応している。沿面距離とクリアランスはいずれも8mmを確保した。内部には標準挿入抵抗550μΩの電流レールを備えていて、電力損失を抑えながらACとDCの双方向電流をアナログ出力で測定できる。

SiC、GaNアプリケーションにも対応

　過電流保護のため、2系統の高速過電流検出（OCD）機能を備えている。炭化ケイ素（SiC）や窒化ガリウム（GaN）など、ワイドバンドギャップ（WBG）半導体を利用する高速スイッチング用途にも適する。

　EEPROMを搭載し、検出限度やデグリッチフィルター設定の調整にも対応可能。磁気コアを使用しないため、ヒステリシスや飽和の影響を受けず、差動センシングにより外来磁場の影響も抑制する。

　TLE4971は車載充電装置（OBC）や高電圧補助駆動装置などの車載用途向け、TLI4971は太陽光発電インバーターやエネルギー貯蔵システム、DC急速充電器といった産業用途向けになっている。