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安全規格に対応したADAS向け画像信号プロセッサARM Mali-C71

ARMは、先進運転支援システム(ADAS)向けに、画像信号プロセッサ(ISP)「Mali-C71」を発表した。複数のカメラを管理する能力を備えた他、厳しい自動車用安全規格にも対応した。

» 2017年05月12日 09時00分 公開
[EDN Japan]

ADAS SoC向けに設計されたISP

 ARMは2017年4月、先進運転支援システム(ADAS)向けに、画像信号プロセッサ(ISP)「Mali-C71」を発表した。同社が自動車市場向けに「Mali Camera」ファミリーとして展開する最初の製品で、過酷な条件下で複数のカメラを管理する画像処理能力を備えた。

 ADASにおいては、電子ミラーや歩行者保護システムなどの新たなアプリケーション開発が進み、1台の車に今後より多くのカメラが搭載されることが予想されている。そのためISPはエンコード処理に加え、コンピュータビジョンを統合したADAS SoC(System on Chip)の形にする必要がある。

高級車には、今後最大10〜12台のカメラが搭載される

 Mali-C71はADAS SoC向けに設計され、複数のカメラを管理する能力を備えるとともに、厳しい自動車用安全規格にも対応した。例えば、歩行者検知、眠気検知システムでは、厳しい機能安全規格への適合が必要となる。こうしたニーズに対し、Mali-C71は、ISO26262、ASIL D、IEC 61508、SIL3などに対応するセーフティパックを提供する。

周囲が明るい時に陰にいる歩行者を検知するには、撮影した場面の全要素を検知するダイナミックレンジが必要

 また、電子ミラーにおいては、ハイクラスのデジタル一眼レフカメラの約15ストップを上回る最大24ストップのワイドダイナミックレンジ(UWDR)を提供できる。300以上の専用障害検出回路も備え、低レイテンシで高度なエラー検出機能を可能にした。

 同社では、ISP、センサー、自動ホワイトバランス、自動露出を制御するフルレファレンスソフトウェアを提供。併せて、ASILに適合する総合的な車載ソフトウェアの開発も予定している。

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