今回は、バックライトが点灯しなくなったタッチパネル付き液晶ディスプレイの修理の様子を紹介する。冷陰極蛍光管(CCFL)を取り換えれば、修理できる内容だったのだが、同じCCFLが手に入らず、知恵を使うことにした――。
タッチパネルのバックライト修理を依頼された。『パネルが暗くなって文字が全く見えなくなった。バックライトを交換したいがメーカーのサポートが終わり、保守部品も入手できない。何とかなり修理ができませんか?』という依頼だ。バックライトの回路や構造は、ほぼ把握しているので、『何とかしましょう』と気軽に引き受けた。今回は、タッチパネルのバックライト修理の模様を報告する。
修理を依頼されたタッチパネルはオムロン製のNT30だ。暗くなったタッチパネルを顧客から預かり、電源(=DC24V)を入れて明るさを確認してみた。図1に示す。
部屋の照明をつけてパネルの表示を確認すると、真っ暗で何も見えなかった。そこで、周囲を暗くしたら何とかディスプレイの文字が見えた。これでは現場では使えないだろう。ちなみにタッチパネルの消費電流は160mA程度だった。
タッチパネルに内部されているランプの構造を確認するため、バックライトを取り出した。背面のつまみを押して引き出すと簡単にランプ部分が取り出せた。図2に示す。
図2左はタッチパネルのバックライトを本体の背面から取り出している途中で、図2右は取り出したバックライトだ。バックライトの配線を確認した。図3に示す。
本体とランプは4本の配線で接続されており、ランプとして冷陰極蛍光管(CCFL)が2本使用されていた。配線と固定用のゴムを取り外して点灯しなくなったランプを引き出した。図4に示す。
CCFLは図4下の固定ゴムに取り付けて絶縁され、バックライトのケースに固定されていた。1本のCCFLの端子が黒くなり切れているようだ。固定用のゴムも少し焼けていた。ゴムが焼けているのは黒くなったCCFLの端子部の温度が上がったためだろう。ランプは直径が約3mm(3φ)で長さは約140mmのCCFLだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.