マイコンユーザーのさまざまな疑問に対し、マイコンメーカーのエンジニアがお答えしていく本連載。今回は、初級者の方からよく質問される「シングルバンクとデュアルバンクの違い」についてです。
素朴な疑問から技術トラブルなどマイコンユーザーのあらゆる悩みに対し、マイコンメーカーのエンジニアが回答していく連載「Q&Aで学ぶマイコン講座」。
今回は、初心者から多く寄せられる質問です。
マイコンのカタログや説明書を読むと「バンク切り替え」「シングルバンク」「デュアルバンク」といった用語が出てきます。そもそも「バンク」とは何でしょうか? また、「シングルバンク」と「デュアルバンク」の違いや、基本的な使い方、バンクを使うメリットなどを教えてください。
バンク(Bank:土手、堤)とは、メモリ領域*1)を論理的に区分けすることです。一般的には、メモリバンク(Memory Bank)と呼ばれますが、単にバンクと呼ばれることもあり、マイコンに限らずコンピュータシステム全般で使われています。マイコンでは、内蔵メモリ(フラッシュメモリやRAMなど)を決められた範囲で区切って、バンクを定義します。
メモリ領域を論理的に区分けする方法としては、ページやセクターなどもありますが、バンクの場合は、ハード的にほとんど同じ構造のメモリを2つ以上使って区分けしている場合が多いです。そのため、独立した動作が可能であることが大きな特徴です。
図1(a)にバンクを2つ使った「デュアルバンク」、図1(b)にバンクを使用しない場合のイメージ図をそれぞれ示します。バンクを使用せずに、1つのメモリモジュールでメモリ全体を構成する場合をシングルバンクと呼ぶことがあります。ただし、これはあくまでデュアルバンクなどのバンクを複数使う場合と対比した場合に使われます。
*1)参考記事:Q&Aで学ぶマイコン講座(52):マイコンのメモリマップの読み方
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