最後に、バンク方式のメリットとデメリットをまとめます。
<メリット>
1.既存システムや、既存システムをベースにして開発する新システムにおいて、アドレスバスが増設できない、または増設できるが作業や開発が大変な場合でも、メモリ領域を簡単に増やすことができる。
2.すでに市場に出ている製品とアドレス領域の互換性を保ちつつ、メモリ領域を増やすことができる。
3.バンク切り替えフラグを増やせば、メモリ領域の増量に制限はない。
<デメリット>
1.メモリにアクセスする際に、ソフトウェアで行うバンク切り替えの手間が増えて、ソフトウェアの負担が増える。バンクの数が増えれば増えるほど、手間は増える。
2.バンク間で直接データのやりとりができない。バンク間でデータのやりとりを行うには、いったん別の記憶装置(レジスタ、メモリなど)にデータを転送して、もう一方のバンクに送る必要がある。
<メリット>
1.複数のバンクが同時に独立して動作することができる。そのため、バンク間でのデータのやりとりは容易。
2.各バンクに命令フェッチ、データアクセスなどの役割を割り当てるとソフトウェアの負担もそれほど大きくならず、総合的にシステム全体のパフォーマンスを向上することができる。
<デメリット>
1.ハードウェアが大きくなり、マイコンなどのICチップではコストが高くなる傾向がある。
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