今回はUSB規格の歴史や種類、機能、組み込み開発における基礎知識などを解説します。
本連載はリョーサンが運営するマガジンサイト「リョーサンテクラボ」に掲載された記事を転載しています。本記事は2026年1月30日に公開されたものです。
PCやスマートフォンをはじめ、外部ストレージや各種周辺機器まで。USBは、現代のデジタル機器をつなぐ最も身近で汎用性の高いインタフェースです。その利便性は組み込み分野でも変わらず、データロガーや産業用コントローラーとの通信、医療機器やIoTデバイスのファームウェア更新、さらに組み込みLinuxシステムでの周辺機器接続など、多岐にわたる用途を支えています。
いまやUSBの知識は、組み込みシステムを設計するうえで欠かせない基礎技術となっています。本記事ではそんなUSBの歴史から組み込み開発の基礎まで解説します。
USB(Universal Serial Bus)は現在PCからいろいろな電子機器の充電、データ通信、映像伝送などに広く使われています。1996年以前はPCに周辺機器をつなぐには、いろいろな専用通信インタフェース(PS/2、RS-232C、IEEE1284、SCSI、IEEE1394/FireWireなど)を使用する必要がありました。接続機器ごとにその専用ケーブルが必要で、かつ設定も手間がかかりました。
そのような状況のためPCと周辺機器の接続をシンプルにする機運は高く、IntelとMicrosoftらが中心に規格団体(USB-IF:USB Implementers Forum, Inc.)を立ち上げ、1996年にUSB 1.0を規格しました。
USB当初の理念は統一規格によりいろんな機器が共通のインタフェースにつながること、電源入れたまま抜き差しでき、つなげばすぐ使えること(プラグアンドプレイ機能)、PC側から電力を供給できること(バスパワー機能)でした。その後改善されたUSB 1.1仕様とWindowsのUSB対応により利便性が向上し、瞬く間に普及し始めました。
USB普及のもうひとつ重要な要素はラインセスフリーであることと、通信品質を保つための試験・認証制度と言えます。その後ニーズの高かった高速通信対応のUSB 2.0(USB High-Speed)が誕生し、Windows 2000やWindows XPのサポートによりUSBの普及が更に加速しました。
前述のようにUSB規格は、より高速なデータ転送と高い電力供給のニーズに応えるため、登場以来継続的に進化を遂げてきました。最初期のUSB規格のデータ転送速度は1.5Mbps(LS: Low-Speed)と12Mbps(FS: Full-Speed)でしたが、その後USB 2.0の480Mbps(HS: High-Speed)、そしてUSB 3.0、3.1および3.2の5〜20Gbps(SS: SuperSpeed)に進化しました。
最新のUSB4はGen 3x2レーンより40Gbpsを実現しています。そして2022年、転送速度が2倍となる80Gbps実現に向けてUSB推進団体「USB Promoter Group」は次世代USB規格「USB4 Version 2.0」を発表しました。
※USB Promoter Groupは、USB規格団体(USB-IF)とは別のIntel、Appleらが中心となるUSB推進団体です。
その一方、スマートフォンへの高速充電、周辺機器間のハイパワー給電のニーズが高まり、USB Type-Cのコネクターを使用した給電規格USB PD(Power Delivery)が規格されました。その後、EUでE-waste削減を目的としてUSB Type-C充電端子が義務化されました。
また、FireWireの後継としてIntelとAppleが共同開発したThunderbolt 3以降の規格も、USB Type-Cを採用することになりました。
※USB PD対応を除く、接続する機器はUSB PDのSPR(Standard Power Range)をサポートしている場合は最大で
100W(20V/5A)、USB PDのEPR(Extended Power Range)をサポートしている場合は最大で240W
(48V/5A)の電力供給が可能です。また、USB PD以前2010年にUSB Battery Charging Specification 1.2も
規定され、最大供給電流は1.5Aでした。
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